21年4月の受診者数 前年同月比9%増 「まん延防止」の受診者の自粛傾向薄く JMIRI
公開日時 2021/05/20 04:52
2021年4月の医療機関受診者数は前年同月比9%増だった。これは調剤レセプトで実際の処方行動を把握・分析する医療情報総合研究所(通称:JMIRI、読み:ジェイミリ)のデータによるもの。20年4月は新型コロナの感染拡大を理由に1回目の緊急事態宣言が発出され、受診数は前年同月比16%の大幅減となった。21年4月は「まん延防止等重点措置」が初めて適用され、25日には東京都や大阪府などで3回目の緊急事態宣言が出された時期にあたる。JMIRIは、「1回目の緊急事態宣言では未曽有の事態に外出を自粛する人が多く、医療機関の受診患者減も見られたが、21年4月はその傾向が薄れているようだ」と分析している。
◎コロナ以前と比べると受診者8%減
ただし、21年4月の受診者数をコロナ以前の19年4月と比較すると8%減となった。20年4月ほどの受診抑制ではないが、コロナ以前と比べると受診抑制が起こっている状況だ。地域別では最も減少幅が大きいのは関東地方の10%減、次いで近畿地方、中部地方の各9%減だった。新型コロナの感染者数が多いエリアほど受診者数の減少幅が大きい。
診療科別にみると、21年4月の受診者数は小児科や耳鼻咽喉科などで20年4月と比べると受診患者の戻りは確認できるものの、19年4月と比べると、小児科は34%減、耳鼻咽喉科は39%減となるなど依然として厳しい状況だった。5月に入ってから過去最高の新規感染者数を更新する地域が出ており、緊急事態宣言の対象地域も拡大されていることから、5月の受診抑制の状況も注目される。