厚労省 新薬20製品を承認 胆道がんや胸腺がんに治療選択肢 統合失調症初の小児適応も
公開日時 2021/03/24 04:50
厚生労働省は3月23日、新医薬品として20製品32品目を承認した。この中にはファーストインクラス薬として、FGFR2融合遺伝子陽性の胆道がんに用いるFGFR阻害薬ペマジール錠(一般名:ペミガチニブ、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン)や、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に用いる抗CD79b抗体薬物複合体ポライビー点滴静注用(ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)、中外製薬)、ムコ多糖症II型に対して血液脳関門を通過して脳実質細胞への直接の作用を発揮する世界初の治療薬イズカーゴ点滴静注用(パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)、JCRファーマ)がある。
また、抗がん剤レンビマカプセル(レンバチニブメシル酸塩、エーザイ)に国内初の胸腺がんの適応が追加されたことや、がん疼痛を効能・効果とする非オピオイド鎮痛剤として初の貼付剤となったジクトルテープ(ジクロフェナクナトリウム、久光製薬)、経口BCL-2阻害薬ベネクレクスタ錠(ベネトクラクス、アッヴィ)の未治療の急性骨髄性白血病の適応追加、統合失調症に用いる非定型抗精神病薬ロナセン(ブロナンセリン、大日本住友製薬)の小児適応の追加なども注目されそうだ。ロナセンは日本で統合失調症の小児適応を持つ初の薬剤となった。
承認された製品は次の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)。薬効分類別に記載。
▽ジクトルテープ75mg(ジクロフェナクナトリウム、久光製薬):「各種がんにおける鎮痛」を効能・効果とする新効能・新剤形医薬品。再審査期間は4年。薬効分類:114。
フェニル酢酸系の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)。久光のTDDS(経皮薬物送達システム)技術を用いて経皮吸収性を向上させ、3枚貼付時のジクロフェナクの全身曝露量が既承認の徐放性カプセル剤(ナボールSRカプセル)と同程度になるよう製剤設計された1日1回貼付の全身投与型経皮吸収製剤。がん疼痛に対する効能・効果を有するNSAIDsなどの非オピオイド鎮痛剤として、初の貼付剤となる。
がん疼痛に対する薬物療法に関する国内外のガイドラインでは、非オピオイド鎮痛剤は痛みの強さに応じて、単剤またはオピオイド鎮痛薬と併用使用することとされている。ただ、非オピオイド鎮痛薬の経口摂取が困難な患者がいることから、今回の全身投与型経皮吸収製剤が開発された。
▽ロナセン錠2mg、同錠4mg、同錠8mg、同散2%(ブロナンセリン、大日本住友製薬):「統合失調症」を効能・効果とする新用量医薬品。再審査期間は4年。薬効分類:117。
非定型抗精神病薬。今回、小児適応を追加する。日本で統合失調症の小児適応を持つ薬剤はなく、20歳未満の統合失調症患者に対する系統的な治療アルゴリズムは存在せず、医師の経験や裁量に基づき治療されている。
▽ケシンプタ皮下注20mgペン(オファツムマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ):「再発性の多発性硬化症(再発寛解型多発性硬化症と疾患活動性を有する二次性進行型多発性硬化症)」を効能・効果とする新投与経路、新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:119。
主にB細胞上に発現しているCD20を標的とするヒト型IgG1κモノクローナル抗体。多発性硬化症(MS)の発症及び再発に関与している自己反応性B細胞を減少させることで、MSに対して効果を示すと期待されている。有効成分のオファツムマブは現在、ノバルティスから製品名「アーゼラ点滴静注液」として、CD20陽性の慢性リンパ性白血病に使用できる。今回は皮下注製剤で、適応は多発性硬化症となる。
▽リオナ錠250mg(クエン酸第二鉄水和物、日本たばこ産業):「鉄欠乏性貧血」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。薬効分類:219。
経口鉄剤。十二指腸管細胞の管腔側刷子縁膜で鉄還元酵素である十二指腸シトクロムbによって2価鉄イオンに還元されて吸収される。鉄欠乏性貧血は女性の性器出血、消化管出血などにより鉄が欠乏し、ヘモグロビン産生が低下することで生じる貧血。動機、息切れ、易疲労感などの貧血としての症状のほか、鉄欠乏による匙状爪、舌乳頭萎縮などを認めることがある。
今回の新適応に関して、日本たばこ産業(JT)子会社の鳥居薬品と、産婦人科領域に強みを持つあすか製薬が情報活動を始めた。
▽ヴォリブリス錠2.5mg(アンブリセンタン、グラクソ・スミスクライン):「肺動脈性肺高血圧症」を効能・効果とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。薬効分類:219。
今回、8歳以上の小児に使えるよう、小児用量を追加する。同剤はエンドセリン受容体拮抗薬で、エンドセリン-1による血管収縮及び細胞増殖作用を抑制することで、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の臨床症状を改善させると考えられている。小児PAHに使用可能なエンドセリン受容体拮抗薬として2剤目となる。なお、1剤目のボセンタン(一般名)は1歳以上の小児を対象とする。
▽レコベル皮下注12μgペン、同皮下注36μgペン、同皮下注72μgペン(ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)、フェリングファーマ):「生殖補助医療における調節卵巣刺激」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:241。
不妊治療に用いる遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン(r-hFSH)製剤。卵胞刺激ホルモン(FSH)は卵巣で卵胞の発育や卵母細胞の成熟を促進する。
▽オスタバロ皮下注カートリッジ3mg(アバロパラチド酢酸塩、帝人ファーマ):「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:2439。
新規の副甲状腺ホルモン(PTH)製剤。有効成分のアバロパラチドは、細かく分類すると、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)の誘導体で、Gタンパク質が結合した副甲状腺ホルモン1型受容体を選択的に刺激することで骨形成を促進する。通常、成人には1日1回、アバロパラチドとして80μgを皮下注射して用いるが、投与期間は最大18か月までとする。
▽イスツリサ錠1mg、同錠5mg(オシロドロスタットリン酸塩、レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン):「クッシング症候群」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:249。
副腎皮質ホルモン合成阻害薬。コルチゾール生合成の最終段階を触媒する11β-水酸化酵素(CYP11B1)を阻害し、副腎でのコルチゾール生合成を抑制する。クッシング症候群は副腎から分泌されるコルチゾールの作用が過剰になることにより、特徴的な身体徴候を呈する病気のこと。身体徴候には満月様顔貌、野牛肩、中心性肥満、皮膚菲薄化、腹部赤色皮膚線条、近位筋の筋力低下などがある。
▽イズカーゴ点滴静注用10mg(パビナフスプ アルファ(遺伝子組換え)、JCRファーマ):「ムコ多糖症II型」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。先駆け審査指定品目。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:3959。
マンノース6リン酸受容体を介した作用に加え、JCR独自の血液脳関門(BBB)通過技術である「J Brain Cargo」によりトランスフェリン受容体を介してBBBを通過させることで、中枢神経症状に対する作用が期待される薬剤。静脈内投与することで末梢組織とともに中枢神経系に移行することを可能にしたもの。
ムコ多糖症II型はライソゾーム病の一種で、ムコ多糖を体内で分解する酵素の欠損により発症するX染色体連鎖劣性遺伝性疾患。国内患者数は約 250 人。幅広い症状があるなか、既存の治療酵素製剤はBBBを通過できないため、脳内で薬効を発揮できず、中枢神経症状に対し効果が期待できないことが大きな課題となっている。
▽ジョイクル関節注30mg(ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム、生化学工業):「変形性関節症(膝関節、股関節)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:399。
生化学独自の薬剤結合技術を用いてヒアルロン酸とNSAIDsのジクロフェナクを化学結合させた薬剤。ヒアルロン酸による関節機能改善効果に加え、徐放されるように設計されたジクロフェナクの鎮痛・抗炎症作用を併せ持つとされる。4週間ごとに関節腔内に投与して用いる。
関節ごとの有効性評価のデータから、当初申請していた足関節の変形性関節症(OA)は有効性が認められないとして、膝関節と股関節のOAのみ承認された。小野薬品が販売及び情報提供・収集活動を行う。
▽レミトロ点滴静注用300μg(デニロイキン ジフチトクス(遺伝子組換え)、エーザイ):「再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫および再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:429。
ジフテリア毒素の一部のアミノ酸配列と、インターロイキン2(IL-2)の全アミノ酸配列を融合した遺伝子組換え融合タンパク質。腫瘍細胞の細胞膜上に発現するIL-2受容体に結合し、細胞内に取り込まれた後にジフテリア毒素が切断され、遊離したジフテリア毒素がタンパク合成を阻害することなどにより腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。厚労省の未承認薬・適応外薬検討会議の評価をふまえた開発要請品目。
▽ダラキューロ配合皮下注(ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼアルファ(遺伝子組換え)、ヤンセンファーマ):「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間は8年。薬効分類:429。
ダラツムマブはCD38を標的とするモノクローナル抗体で、多発性骨髄腫に用いる点滴静注製剤「ダラザレックス」として承認されている。今回は、ダラツムマブに新有効成分のボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を配合した皮下注製剤で、投与時間の短縮、固定用量による薬剤調整手順の簡略化などによる患者及び医療従事者の負担軽減が期待されている。
ボルヒアルロニダーゼアルファは、真皮の主要な結合基質であるヒアルロン酸をN-アセチルグルコサミンの四糖類、または六糖類のサブユニット及びグルクロン酸に脱重合することにより、皮下組織に薬剤を注入する際の抵抗を減少させ、薬剤の体内への浸透と分散を促進する。
▽ヴァイトラックビカプセル25mg、同カプセル100mg、同内用液20mg/mL(ラロトレクチニブ硫酸塩、バイエル薬品):「NTRK 融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:429。
トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬。神経栄養因子チロシンキナーゼ(NTRK)遺伝子融合と呼ばれる稀なゲノム変化を有する局所進行性または転移性の成人及び小児固形がんに特化した治療薬として開発された。
TRK融合を有するがんは、NTRK遺伝子が別の無関係の遺伝子と融合し、通常と異なるTRKタンパク質が生じることで起こる。TRK融合タンパク質は恒常的に活性化フォームを取るか、過剰発現し、細胞内の増殖シグナル伝達の活性を誘発する。これらのTRK融合タンパク質は、体内の発生部位にかかわらず、がん患者のがんの広がりや増殖を促進する発がん性ドライバーとして作用する。国内申請に用いた臨床試験では肺がん、甲状腺がん、悪性黒色腫、消化管間質腫瘍、大腸がん、軟部肉腫、胆管がんなど20以上の組織型にわたる固形がんで評価された。
同剤は、中外製薬の遺伝子変異解析プログラム・FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルでラロトレクチニブの有効性が期待されるTRK融合がんかどうかを調べた上で使用する。
▽ポライビー点滴静注用30mg、同点滴静注用140mg、(ポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)、中外製薬):「再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:429。
ファースト・イン・クラスの抗CD79b抗体薬物複合体。ヒト化抗CD79bモノクローナル抗体とチューブリン重合阻害薬をリンカーで結合させた薬剤。CD79bタンパクは、多くのB細胞で特異的に発現しており、新たな治療法を開発する上で有望なターゲットとされる。同剤は正常細胞への影響を抑えつつCD79bに結合し、送達された化学療法剤によりB細胞を破壊すると考えられている。
なお、同剤はシンバイオ製薬の抗がん剤トレアキシン(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)と併用して用いる。
▽ベネクレクスタ錠10mg、同錠50mg、同錠100mg(ベネトクラクス、アッヴィ):「急性骨髄性白血病」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:429。
BCL-2と呼ばれる体内の特定タンパク質を標的とする経口BCL-2阻害薬。いくつかの血液がんでは、BCL-2がアポトーシスと呼ばれるがん細胞の自然死や自己破壊の過程を阻止する。同剤はBCL-2タンパク質を標的とし、がん細胞により失われたアポトーシスの過程を回復させる作用がある。今回の適応追加による対象患者は、強力な寛解導入療法の適応とならない未治療の急性骨髄性白血病(AML)患者で、代謝拮抗薬ビダーザ注射用と併用して用いる。
▽レンビマカプセル4mg、同カプセル10mg(レンバチニブメシル酸塩、エーザイ):「切除不能な胸腺がん」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:429。
マルチキナーゼ阻害薬で、腫瘍の増殖を抑制する。胸腺がんは、国内患者数が140人~200人程度と推定される極めて希少な疾患。切除不能な胸腺がんに対しては、プラチナ製剤を含む1次療法が推奨されているが、2次療法以降は標準的な治療法が確立していない。依然として予後不良な疾患で、新たな治療薬の開発が望まれている。
なお、エーザイと、MSDの親会社の米メルクはレンビマのグローバルな共同開発と共同販促を行う戦略的提携を結んでいる。両社はレンビマの単剤療法と、メルクの抗PD-1抗体キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法について共同開発・共同販促を行っている。
▽ペマジール錠4.5mg(ペミガチニブ、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン):「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:4291。
ファースト・イン・クラスの選択的線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬。FGFRのリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達分子のリン酸化を阻害することで、FGFR2融合遺伝子を有する胆道がんに対して腫瘍増殖抑制効果を示すと考えられている。ペマジールによる高リン血症に対処するため、ニプロの炭酸ランタン顆粒分包「ニプロ」を併用する。
インサイト日本法人はこの日、ペマジールについて、「日本でも自社販売を開始する予定」と発表した。同社は20年9月のミクスの取材に対し、MRの採用活動を進める意向を示していた。インサイト製品のうち既に国内導入されているのは、経口JAK阻害薬ジャカビ(製造販売元:ノバルティス)、経口MET阻害薬タブレクタ(同:ノバルティス)、経口JAK阻害薬オルミエント(同:日本イーライリリー)――の3剤ある。
▽アキュミン静注(フルシクロビン(18F)、日本メジフィジックス):「初発の悪性神経膠腫を疑う患者における腫瘍の可視化。ただし、磁気共鳴コンピューター断層撮影検査による腫瘍摘出計画時における腫瘍摘出範囲の決定の補助に用いる」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。薬効分類:430。
放射性フッ素で標識されたフルシクロビンを有効成分とするPETトレーサー。同剤はアミノ酸トランスポーターを介して細胞内に取り込まれる。腫瘍細胞などでは正常細胞よりもアミノ酸代謝が亢進していることからアミノ酸がより多く取り込まれることを利用して、同剤を用いたPET検査により腫瘍の可視化が可能となる。日本脳神経外科学会から早期承認の要望書が提出されていたもの。
▽アリケイス吸入液590mg(アミカシン硫酸塩、インスメッド):「適応菌種:アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)、適応症:MACによる肺非結核性抗酸菌症」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。薬効分類:616。
アミノグリコシド系抗菌薬。有効成分のアミカシンは注射薬として承認され、様々な細菌感染症に使用されている。同吸入液はアミカシンの全身曝露を抑えて副作用を軽減しつつ、肺内へ効率的に薬剤を送達することが可能となるよう、リポソーム化アミカシンの吸入剤として開発されたもの。アミカシンとして初の吸入薬となる。
▽ユプリズナ点滴静注100mg(イネビリズマブ(遺伝子組換え)、田辺三菱製薬):「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。薬効分類:639。
抗体を産生する形質芽細胞や形質細胞を含むB細胞の表面に発現するCD19に高い親和性を持つヒト化抗CD19モノクローナル抗体製剤。CD19に結合することで、これらの細胞を循環血液中から除去する。
視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、重度の再発を繰り返し致命的となり得る中枢神経系の自己免疫疾患。身体の免疫システムが健康な細胞(一般的には視神経、脊髄、脳)を攻撃し、再発や重篤な傷害をもたらす。その結果、目の痛みや失明、重度の筋力低下、麻痺、しびれ、腸や膀胱の機能低下、呼吸不全を引き起こす。国内有病率は10万人あたり2~4人とされる。