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【World Topics】大塚製薬とクリックがうつ病治療で完全リモートでのデジタル治験

公開日時 2021/03/23 04:52
大塚製薬がデジタル・セラピューティックのクリック(Click)と共同で、うつ病治療のデジタル治験を完全リモートで開始すると発表し注目を集めている。

大塚アメリカCMOのChristoph Koenenによれば、治験は、同社の未来プロジェクトの一環で、デジタル・セラピューティックを用いた介入が薬剤治療を受けているうつ病患者の症状緩和にどの程度の効果をもたらすかを検証する。効果測定にはMontgomery-Asbergうつ病評価尺度が用いられる。長引くCOVID19パンデミックによるストレスでメンタルヘルスのデジタル・セラピューティックに対する需要が急激に高待っていると言われている米国で、まさにタイムリーな取り組みだ。

正確な規模や実施時期など計画の詳細はまだ明らかにされていないもの、10週間の治験に、540人程度の患者が全米からリモートで参加する予定であるという。治験のデジタル・プラットフォームはヴェリリー(Verily)が提供し、患者のリルートのためのアウトリーチからクリニシャンおよび患者が治験参加に必要なツールまでを提供する。大塚製薬は2019年からヴェリリーを使用してきたが、この規模の知見に取り組むのは今回が初めてである。

リモート治験は、近年ヴェリリーのような専用プラットフォームが整備されるにつれ徐々に利用が増えてきていたが、2020年のCOVID19パンデミックによって加速度的に増加した。パンデミック下では、治験過程での対人接触の必要がないことが高く評価されているのであるが、実際には、従来の方法では集めることのできなかった規模の多数の患者をリクルートできることの魅力も大きい。

デジタル・ピル製造メーカーProteus Digital Healthへの投資でよく知られている大塚製薬だが、昨2020年には腎不全のソリューション(対症療法ではなく完全な治療)開発を国家最重要施策と位置付け推進している米国連邦政府の政策課題にそうように、腎臓病患者のオンライン・コミュニティNephU(https://nephu.org/)を開設、さらに直近にはSpencer Health Solutionと提携して在宅患者の服薬管理支援に乗り出すと発表するなど、デジタル・ソリューションへの関心の高さを示す、活発な動きを見せている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

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