NTTドコモと徳島県 県立中央病院、三好病院、海部病院に「5G遠隔医療支援システム」導入 国内初
公開日時 2021/03/22 04:50
NTTドコモと徳島県は3月19日、5Gとドコモオープンイノベーションクラウドを活用した高精細映像伝送による「5G遠隔医療支援システム」(仮称)を徳島県内の県立3病院に導入すると発表した。導入するのは、徳島県立中央病院、三好病院、海部病院。2020年1月~2月に徳島県立中央病院と海部病院で実施した実証実験の結果を踏まえたもの。その際の医師や患者の意見を踏まえて操作性の向上や映像・音声合成などのシステム改善を加えて構築した。医療機関への導入は国内初となる。
5G遠隔医療支援システムは、ドコモオープンイノベーションクラウドによる高セキュリティな閉域網を利用し、医療機器のデータやカメラの高精細映像を5G通信で、遠隔地の県立病院間で伝送することができる。活用方法および導入イメージは、①高精細映像を活用した糖尿病などの遠隔医療支援、②エコー、心電図、内視鏡等の医療機器画像の送信による遠隔医療支援、③ドクターカーなどへの搭載による救急・訪問医療支援-などを想定している。
このシステムを活用することで、診療のため遠隔地へ出向いていた専門医と患者双方の移動時間を軽減できるほか、都市部と郡部など、地域間で同等の医療が提供できるなどのメリットがある。さらに、熟練専門医が行う医療行為を映像伝送することで、若手医師への指導に活かせるほか、県立総合看護学校と県立病院をつないだ遠隔授業にも応用できる。
NTTドコモは、徳島県と「とくしまSociety 5.0の実装に向けた連携協定」を昨年6月に締結しており、今後は県内13病院で構成された「徳島医療コンソーシアム」への導入を進めるほか、「ドクターカー」への搭載による救急診療・県立病院からの訪問診療への応用も検討する。