英NICE ペムブロリズマブをCDFからNHS使用へ転換
公開日時 2021/02/15 04:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は2月4日、メルクシャープ&ドーム社の免疫チェックポイント阻害剤Keytruda(一般名:ペムブロリズマブ、日本製品名:キイトルーダ)について、非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で代謝拮抗薬ペメトレキセド及びプラチナ製剤との併用による使用を従来のCDF(抗がん剤基金)による使用からNHS(国民保健サービス)における通常使用を推奨するガイダンス案を発表した。
ペムブロリズマブの推奨内容は、EGFR(上皮成長因子受容体)変異陽性でない、もしくは未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)変異陽性でない非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)で、PD-L1の発現に関わらずペメトレキセドおよびプラチナ製剤との併用療法で、ファーストラインとなる。NHSでの使用推奨により約3000人が投与適格者となると見込まれる。
NICEでは、臨床試験エビデンスは既存の標準療法に比較して、ペムブロリズマブ、ペメトレキセド及びプラチナ製剤の併用は生存期間を延長させたことを示唆したが、PD-L1陽性が認められる腫瘍細胞の割合が50%以上のスコアを持つ患者では、ペムブロリズマブ単剤療法と比較して全生存期間に変化はなかったことを指摘した。
NICEのMeindert Boysen医療技術評価センター長は、「CDFでの使用を通して、この併用療法が何千人も患者を延命する可能性が示された。我々は、この治療法をルーチンとして推奨できることを喜んでいる」と同剤のNHSでの通常使用推奨を歓迎した。
今回のガイダンス案では、同剤投与適格患者は、PD-L1 発現の有無に関わらずペムブロリズマブ、ペメトレキセド及びプラチナ製剤併用療法を投与開始から2年間もしくは、2年以内に疾患が進行するまで受療できる。NICEは、最終ガイダンスを今年3月に発行する計画。