大日本住友製薬は2月1日、米国シリコンバレーに活動拠点を構えるベンチャーファンド「Kicker Ventures I, L.P.」(キッカー・ベンチャーズ・ファンド I)に対し、最大累計で約20億円(2000万ドル)を出資する契約を締結したと発表した。同ファンドは、ライフサイエンス分野における最先端のデジタルヘルスケア技術を活用し、米国、カナダ、日本でビジネス展開する企業に投資を行う。同社は、医療機器やデジタルヘルスケアなどフロンティア事業における有望案件の情報収集など、事業開発の機会獲得につながると期待している。
キッカー・ベンチャーズ・ファンド Iは、Kicker Venture Partners I, LLC(米国カリフォルニア州、清峰正志代表)が2021年1月に設立したベンチャーファンド。ファンドの規模は最大1億ドル(10年間)。デジタル・セラピー、スマートデバイス、データ解析・AI、個別化医療、最先端治療デバイス・医薬品などに関するデジタルヘルスケア技術を活用し、投資を行う。
◎シーズ探索や異業種テクノロジー企業との提携支援も
今回の契約締結により、大日本住友製薬はニーズに応じたシーズ探索や異業種テクノロジー企業との提携支援などのサービスを受ける権利を取得する。また、キッカー・ベンチャーズ・ファンド Iの投資先企業である Co-Studioとも連携し、異業種連携を通じた新規プロジェクトの事業化や人材育成などを推進して、新たなヘルスケアソリューションの開発を進める予定。
同社はすでに、予防や患者のケアに着目し、自社医薬事業とシナジーが見込める領域を中心にフロンティア事業を推進している。キッカー・ベンチャーズ・ファンド Iへの出資を通じて、「医療機器やデジタルヘルスケアなど、フロンティア事業における有望案件の情報収集や、新規プロジェクトの推進、目利き人材の育成等により、事業開発の機会獲得につなげたい」と期待感を表明した。