新型コロナで事実上の診療報酬改定を断行
薬剤は診察と不可分一体 財源切り分けは不適当
公開日時 2020/12/29 00:00
2021年度薬価改定は、平均乖離率5%以上の品目を対象とすることで決着した。実は私が注目したのは薬価改定と同時に、感染予防策を講じた医療機関に対し、初・再診に5点(医科)上乗せすることが21年度の予算編成に向けた大臣折衝で決まったことだ。この上乗せは、実質的にほぼすべての医療機関・薬局で算定できることから、新型コロナ禍の特例としながらも、初・再診などの点数引上げを政治判断した結果と言える。2021年度は本来、診療報酬改定のない年だ。ただ、新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、医療機関だけでなく、国民からも医療従事者への支援を求める声が相次ぎ、医療界に大きな追い風が吹いた。結果的には、薬価の引下げ財源を診療報酬本体に充填するという、事実上の診療報酬改定が断行された、“特例的&rdq...