杏林製薬 免疫調節薬の知的財産をPriothera社へ譲渡
公開日時 2020/10/13 04:50
キョーリン製薬ホールディングスの子会社の杏林製薬とPriothera社(本社:アイルランド・ダブリン)は10月12日、杏林製薬が創製した免疫調節薬KRP-203について、知的財産等の譲渡に関する契約を締結したことを発表した。杏林製薬はPriothera社に対して、KRP-203の開発・販売等に要する特許・データ等の知的財産および原薬等を譲渡し、対価としてPriothera社が発行する株式等を受け取る。なお、杏林製薬は日本と韓国における開発・販売等の権利を留保する。
KRP-203は、新規化学構造のスフィンゴシン1リン酸受容体アゴニスト(作動薬)で、リンパ節からのリンパ球放出を抑制することによって免疫調節作用を示す。
杏林製薬は、ノバルティス社にKRP-203のライセンスを供与し、同社がGvHD(移植片対宿主病)治療薬での開発を進めていた。2018年2月にノバルティス社が開発戦略上から開発中止し、ライセンスの返還を受け、新たな導出先を探索していた。
Priothera社は急性骨髄性白血病において造血幹細胞を移植する患者を対象とした臨床試験を進めていく予定としている。既存の免疫抑制剤に比べて安全性が高く良好な臨床効果を示す治療薬としての開発を期待している。
杏林製薬は、自社創製の新規開発候補化合物のスピーディなグローバル開発による価値最大化と医療ニーズに合ったオリジナル新薬創製によって、健康への貢献を目指す。同社は、2021年3月期の連結業績予想への影響は軽微としている。