帝人ファーマ 新会社「帝人訪問看護ステーション」設立 訪問看護事業もつ唯一の製薬企業に
公開日時 2020/10/01 04:51
帝人ファーマは9月30日、地域包括ケアシステムにおける地域社会により貢献するため、既存の訪問看護事業を独立させて、新会社「訪問看護ステーション株式会社」を設立したと発表した。新会社は帝人ファーマ100%子会社で、6月5日付で設立し、10月1日から本格稼働する。帝人グループの強みを活かし、業務フローのデジタル化のほか、在宅医療事業や、患者情報共有システム「バイタルリンク」とのシナジー創出を目指す。2025年度までに「地域包括ケア事業全体」として売上100億円を目指す。
これまでの同社の訪問看護事業は、同社の在宅医療事業が提供する在宅酸素療法(HOT)のケアなどをメインとした活動をしてきた。このような在宅医療事業を補完する存在から、今回、より主体的に経営を行う事業へと転換するため新会社を設立した。一般的な訪問看護事業を展開することになる。
訪問看護ステーションは現在、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、熊本県に計13拠点あり、従業員は計70人。ステーション数を今後増やすかどうかは開示していないが、所属する訪問看護師や理学療法士などの専門職は拡充し、教育を充実させる。
帝人グループの強みを活かし、在宅医療事業やバイタルリンクとのシナジー創出を目指す。また、医薬事業のMRや在宅医療事業の営業担当者が培った営業網を活用して、例えば地域の拠点病院と連携して再入院を抑制する取り組みなども検討する。
帝人ファーマは、「(新会社は)サービス利用者により高品質なケアを提供するとともに、医療機関・居宅介護支援事業所などときめ細やかに連携し、地域包括医療体制の確立に貢献していく」としている。
帝人グループのヘルスケア事業は、これまでは医薬品と在宅医療・医療機器による「治療」中心の展開だったが、2020年度から、リハビリ/介護や予防/健康増進を含む「地域密着型総合ヘルスケア事業」を提供する企業を目指して取り組んでいる。持続可能な社会の実現に向けて、「少子高齢化・健康志向」へのソリューションを提供していく方針。