MDV 547万人健保データの提供開始 病院から診療所への診療履歴も把握可能
公開日時 2020/05/20 04:50
メディカル・データ・ビジョン(MDV)はこのほど、健保組合が保有する547万人の診療データを製薬企業やアカデミアに提供することを始めたと発表した。同社が強みとする高度急性期や急性期を担うDPC病院の3000万人超の診療データに加えて今回、健保データも取り扱うことで、中小病院や診療所の診療実態もカバーし、回復期や慢性期のデータを充実させる。同社は、「多様な調査・研究ニーズに対応する」としている。
今回提供を始めた健保データの期間は、12年4月から19年12月までとなる。
同社によると、健保データを利活用することで、例えば生活習慣病や軽度の腰痛など診療所が中心となる入院のいらない外来診療の実態がわかるほか、同じ健保にいる限り、病院から診療所などへの診療履歴の追跡もできるとしている。また、ある疾患の治療について、DPC病院と診療所での診療実態の違いも把握できる。
MDVは、DPC病院の診療データを匿名加工処理した上で、データ集積してきた。全国に約1700あるDPC病院のうち、20年4月末時点で405病院から診療データの二次利用許諾を得ており、3130万人の診療データを保有している。「国内最大規模の診療データベース」だとしている。