【World Topics】モバイルアプリがCOVID-19を咳で診断
公開日時 2020/05/18 04:50
COVID-19の初期症状は発熱、倦怠感、そして乾いた咳である。だが、こう聞いただけでは、インフルエンザあるいは普通の風邪の初期症状と必ずしも区別がつかない。
そこで咳の特徴からCOVID-19をスクリーニングするモバイルアプリを開発しようとしているのがニューヨークに基盤をおくHealthMode社である。(https://www.coughmode.com)
開発の前提となっているのは、肺に感染を起こすCOVID-19の咳は、いわゆる風邪や花粉症などによる上気道の感染に起因する咳とは異なる特徴を持つはずだというアイディアである。
しかし、現在のところ同社開発チームにも目指すべき明確なゴールは見えていないという。開発の成否はどれだけの「咳データ」を取集でき、どれだけの特徴(たとえば音量、咳込みの長さ、頻度など)を析出でき、またどれだけ他の診療情報等と突合解析ができるかにかかっている。
同社のホームページには「あなたの咳を科学のために寄贈してください」と書かれ、テストアプリのユーザをリクルートしている。ユーザは同社のウェブ上にマイページを作成し、モバイルに咳を吹き込んで情報提供する。スクリーニング・アプリ完成の暁には万一にもCOVID-19感染が疑われるユーザにはその旨の連絡を返す予定だ。(医療ジャーナリスト 西村由美子)