厚生労働省はきょう5月7日、抗ウイルス薬・レムデシビル(製品名:ベクルリー点滴静注液100 mg、点滴静注用100 mg)について、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会で承認の可否を審議する。順調にいけば、きょう特例承認される見通し。世界的な感染拡大に歯止めがかからない状況下で、日本国内への供給量をいかに確保するかが最大の課題となる。こうしたなかで、厚労省の新型コロナウイルス感染症対策推進本部は4日付で都道府県宛に事務連絡を発出し、「日本への供給量が限定的になる可能性がある」と指摘し、当面は国がレムデシビルの供給を管理し、重症患者の受入れ状況など当該薬剤の必要量を把握した上で医療機関への配分を行う方針を示した。
◎医療機関から「必要量」等についてWebを通じ報告求める
「新型コロナウイルス感染症対策における重症患者に対するレムデシビルの必要量等の把握について(依頼)」と題する事務連絡では、レムデシビルが薬事承認された場合を想定し、「国内や各医療機関における必要量その他必要な事項等の把握」を目的としたWeb調査への協力を求めた。なお、Web調査は、「新型コロナウイルス感染症対策に係る病院の医療提供状況等の把握等について調査項目一部変更のお知らせ(その2)」(令和2年4月24日付け厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対策推進本部事務連絡)で対応する。
◎「(配分には)これらの情報が極めて重要」 入力・更新に協力依頼
感染症対策推進本部は、「各医療機関が本調査に入力する情報等を踏まえて各医療機関への当該医薬品の配分を行うことを予定している。これらの情報が極めて重要なものとなる」と強調。各医療機関(病院)による入力および随時更新が遺漏なく行われるよう協力を依頼した。
◎ギリアド 14万人分を提供 新規患者数と重症度に応じ全世界への配分を検討
なお、ギリアド・サイエンシズ社は、世界的なパンデミックへの対応として、150万バイアルのレムデシビルを無償提供する。これは14 万人分に相当。同社は、多数の独立したデータソースを用いて COVID-19 の新規感染患者数と重症度を追跡し、全世界への配分を検討するとしている。