日本の抗がん剤後発品市場 22年に1000億円突破へ BSがけん引 富士経済
公開日時 2020/04/27 04:50
富士経済はこのほど、国内の抗がん剤(がん関連製品含む)の後発医薬品市場が2022年に1000億円を超えるとの市場予測をまとめた。18年の750億円との市場規模が22年に1027億円に拡大、18年から市場が40%近く成長すると分析した。特にリツキシマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブのバイオシミラー(BS)が抗がん剤後発品市場の伸びをけん引するとしている。
同社の市場予測は、同社専門調査員による参入企業や関連企業などへのヒアリングや文献調査などをもとにまとめたもの。調査期間は19年12月~20年2月。同社の市場規模(売上)データは販売元の出荷ベース。後発品の定義は、診療報酬点数表の後発医薬品に属するものとし、BSを含めた。
抗がん剤の後発品市場は、18年750億円、19年804億円、20年869億円、21年945億円、22年1027億円、23年1114億円(19年は見込、20年以降は予測)――と推移すると分析した。毎年7~8%成長することになる。
このうちBS市場は19年の88億円が20年に146億円、21年188億円、22年222億円、23年249億円――と急拡大する。富士経済は、「18年にリツキシマブ、トラスツズマブを成分とする製品が発売されたことでBS市場が立ち上がり、19年にはベバシズマブを成分とした製品が発売された」とし、「トラスツズマブは先発品と同じ適応がようやく揃い、本格的な拡大は20年からとみられる」とコメントしている。
抗がん剤のAG市場も、BSほどではないものの成長基調にあり、19年の87億円が、22年に130億円、23年に138億円に成長すると分析している。