EFPIA 新型コロナウイルス感染症への対応で声明
公開日時 2020/02/28 04:49
欧州製薬団体連合会(EFPIA)は2月25日、イタリア、フランスなど欧州でも死者を出し始めた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、会員各社の現在の対応と今後の取り組みなどについて声明を発表した。
新型コロナウイルス感染症が欧州にも影響を及ぼしてきたことに懸念を示したうえで、感染拡大を抑制する必要性に加え、大流行に備えてリソースを活用する考えを示した。
EFPIA会員企業は、COVID-19の診断薬や治療薬の迅速な開発を目指し、協力態勢を構築する。すでに、新型コロナウイルス感染症の治験薬としてエボラ出血熱治療薬や抗HIV薬の提供や、ワクチン開発に取り組んでいることを明らかにした。
現在、EFPIA会員企業は、COVID診断薬・治療薬の開発を目指し、IMI(画期的新薬イニシアチブ)、EMA(欧州医薬品庁)および欧州各国保健当局連合(NHA)の欧州関係当局、WHO(世界保健機関)、CDC(米疾病管理予防センター)、CCDPC(中国疾病管理予防センター)などと協力している。
また、状況が悪化した場合を想定し、医薬品不足などの障害を来さないようサプライチェーンの継続性を確保する決意を示した。
EFPIA会員企業の現在の主な取り組みは以下の通り。
アッヴィ:中国に抗HIV薬Aluvia(ロピナビル/リトナビル)200万ドル相当を無償提供
アストラゼネカ:中国赤十字への寄付および病院への備品提供など含め100万ドル
バイエル:中国赤十字への寄付(金額不明)および抗生物質などの提供
ベーリンガーインゲルハイム:中国赤十字へ100万ドルの寄付、中国での医療スタッフのためにマスク10万枚を提供
ロシュ・ジェネンテック:WHO(世界保健機関)へ専門家を派遣したほか、検査・治療分野で中国衛生当局に協力している
グラクソ・スミスクライン(GSK):官民協力ワクチン開発機関のCoalition for Epidemic Preparedness Innovations(本部:ノルウェー)と新型コロナウイルスの共同開発提携を行った
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J):米保健福祉省(HHS)の傘下機関Biomedical Advanced Research and Development Authority(BARDA)との協力を拡大。新型コロナワクチン開発を推進している
サノフィ:BARDAと協力し、かねてから開発中のSARS(重症急性呼吸器症候群)ワクチンが新型コロナウイルスワクチン開発の近道と考え、それを活用する