急性期機能の集約に向け公立3病院を再編統合
あるべき医療の追求がマーケットを変える力に
公開日時 2020/02/29 00:00
第2回南和広域医療企業団地域医療構想を先取りした成功事例として、今でも厚生労働省の検討会や中央社会保険医療協議会でたびたび取り上げられる、奈良県南和医療圏における公立病院の再編統合。将来の医療需要を分析して地域に必要な医療を明確にするまでは地域医療構想と同じ。異なるのは、多くの構想区域が“現状維持”に傾くなか、同医療圏では公的3病院の再編に踏み切ったこと。各病院が機能を絞り込んで連携を密にしたことで、圏外に流出していた患者の一定数をくい止め、県内の患者の流れを大きく変えたとも言われている。取り組みの原動力となったのは、各病院が機能維持に固執していたら“共倒れ”となり、地域医療そのものが崩壊するかもしれないという関係者たちの危機感だ。(富井和司)...