武田薬品 抗うつ薬トリンテリックスを発売 ルンドベックは日本で営業活動開始
公開日時 2019/11/28 04:50
武田薬品は11月27日、抗うつ薬トリンテリックス錠10mg、同20mg(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)を発売した。効能・効果は「うつ病・うつ状態」で、1日1回の経口投与で用いる。薬価は10mg1錠168.90円、20mg1錠253.40円。中医協資料によると、ピーク時売上予測は10年後に227億円としている。
トリンテリックスはデンマークのルンドベック社が創製したもので、日本では武田と共同開発した。製造販売元は武田で、武田とルンドベック・ジャパンがコ・プロモーションする。ルンドベックは同剤の取り扱いを機に日本に営業部門を発足させ、営業活動を始めた。ルンドベックのMR数は非開示。
トリンテリックスはセロトニン再取り込み阻害作用ならびにセロトニン受容体調節作用(セロトニン3受容体、セロトニン7受容体及びセロトニン1D受容体のアンタゴニスト作用、セロトニン1B受容体部分アゴニスト作用、セロトニン1A受容体アゴニスト作用)を有し、セロトニンだけでなく、ノルエピネフリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を調節するとされる。武田は、「こういった複数の薬理作用を併せもつ国内で承認を取得した初めてかつ唯一の製剤」としている。世界84か国で承認されている。
武田のジャパンファーマビジネスユニットジェネラルメディスンビジネスユニットの大中康博ヘッドは、「世界84か国で承認され、実臨床における豊富なエビデンスをもつトリンテリックスを、うつ病で苦しむ日本の患者さんにお届けできることをうれしく思う」とコメント。
ルンドベック・ジャパンのクリストファー・ダール社長は、「ルンドベックは70 年以上にわたり精神・神経疾患領域のアンメット・メディカル・ニーズを解決するために尽力している」とした上で、「新規作用機序をもつトリンテリックスを日本の患者さんにお届けすることで、ルンドベック・ジャパンが日本のうつ病で苦しむ患者さんに貢献できることを大変うれしく思う」とコメントした。