感染症薬市場 21年に5000億円下回る見通し 抗菌薬適正使用で市場縮小 富士経済
公開日時 2019/10/23 03:50
富士経済はこのほど、感染症領域の治療薬市場が2021年に5000億円を下回るとの予測をまとめた。耐性菌対策のため、国による抗菌薬の適正使用が推進されていることから、「今後も抗生物質の使用を制限する政策は進み、(市場は)縮小が続くとみられる」(富士経済)としている。
文末の関連ファイルに、日本の感染症領域の治療薬市場、抗HIV薬市場の市場規模予測の資料を掲載しました(有料会員のみダウンロードできます)。
調査方法は同社専門調査員による参入企業や関連企業などへのヒアリングや文献調査などをもとにまとめたもの。調査期間は19年4月~7月。同社の市場規模(売上)データは販売元の出荷ベース。感染症治療薬市場は▽抗生物質▽抗HIV薬▽インフルエンザウイルス治療薬▽抗ヘルペスウイルス薬(疼痛除く)・抗RSウイルス薬▽抗真菌薬▽肝炎ウイルス薬――で構成する。
同社の調べによると、感染症治療薬市場は縮小が続く。18年の市場規模は5823億円だが、21年には4842億円と5000億円を下回り、調査期間の最終年となる27年には4376億円まで縮小すると予測した。27年は18年から1500億円近く市場が縮小することになる。
■抗HIV薬市場 19年、20年とも2ケタ成長
感染症治療薬のうち抗HIV薬は、▽新薬が多く発売されている▽患者数の増加が予想される――ことから、市場は伸長すると予測した。18年の557億円が19年に617億円、20年に700億円と、今後2年間は市場が2ケタ成長するとしている。その後は1ケタ台の成長で推移し、24年には818億円と800億円台にのり、最終27年は896億円になるとしている。