NPhA会員 地域支援体制加算取得は基本料1以外で4薬局 夜間・麻薬管理要件厳しく
公開日時 2019/06/17 03:50
日本保険薬局協会(NPhA)は6月13日、2018年度調剤報酬改定で新設された地域支援体制加算を2329薬局が取得しているものの、調剤基本料1以外は4薬局にとどまるとの調査結果を公表した。調剤基本料1以外の薬局では地域医療への貢献などの実績要件が求められており、かかりつけ薬局への転換を求めている。NPhAは特に、夜間・休日等の対応実績要件と麻薬管理指導加算の実績要件のハードルの高さを指摘。2020年度調剤報酬改定の議論に向けて、要件の緩和を求める姿勢を改めて示した。
調査は、2018年度調剤報酬改定の影響度および、20年度改定要望を目的に、オンラインで実施した。調査期間は2019年3月6日~4月19日までで、NPhA会員96社から回答を得た。
地域支援体制加算は、地域包括ケアシステムの中で地域医療に貢献する保険薬局について評価する点数(35点)。調剤基本料1を取得する保険薬局以外は、「地域医療に貢献する体制を有することを示す相当の実績」として、夜間・休日等の対応実績や、服薬情報提供料の実績、服用薬剤調整支援料、外来服薬支援料、在宅薬剤管理、麻薬指導管理加算、かかりつけ薬剤師指導料、重複投薬・相互作用等防止加算等の実績-8要件のクリアを求めている。
このうちNPhAが見直しを求めている、夜間・休日の対応実績と麻薬管理指導加算の実績双方を満たす薬局については、調査の結果、回答した5903薬局の1.6%にとどまったことがわかった。夜間・休日等の対応実績を満たすのは17.9%、麻薬管理指導加算の実績があったのは9.9%だった。結果を受けてNPhAでは、「8要件を満たす可能性がある薬局はかなり限定的な状況だ」と指摘。特に2つの要件は「地域ごとの医療環境に左右されるところが大きい」として、要件の見直しを引き続き訴える。
同日の会見でNPhAの南野利久会長は、「きっちりいろんなことに取り組んでいても、8要件をクリアしないために加算がとれないところもある。不公平で患者にとってもわかりにくいと思うので、(見直されるよう)働きかけていきたい」と述べた。NPhAは19年4月、20年度診療報酬改定に向けた要望書を厚労省に提出している。
◎調剤報酬不正でアポロメディカル理事退任も 南野会長「申し訳ない気持ちでいっぱい」
同日の会見では、アポロメディカルホールディングスが運営する北海道の「アイランド薬局ほくしん店」(北広島市)の調剤報酬不正請求問題についても言及があった。南野会長は、「起こってはいけないことだ。申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と陳謝。同社から、理事退任の申し出があったことを明らかにした。取り扱いについては、来週に臨時開催する理事会のなかで検討するという。