公取委 コーアイセイに排除措置命令 137万円の課徴金命令 後発炭酸ランタンOD錠の価格カルテル
公開日時 2019/06/05 03:50
公正取引委員会は6月4日、コーアイセイ(本社・山形市)に対し、独占禁止法の規定に基づく排除措置命令と、137万円の課徴金納付命令を行ったと発表した。後発炭酸ランタンOD錠について、日本ケミファとの間で同剤の安売りをしない旨を相互に確認。18年7月20日に日本ケミファが自社製品とする後発炭酸ランタンOD錠の仕切価をコーアイセイに提示した上で、これを目途にコーアイセイ側も自社製品の仕切価を合わせるよう依頼し、合意していた。
この問題をめぐっては、高リン血症治療薬・後発炭酸ランタンOD錠の販売をめぐり、発売前に医薬品卸に提示する仕切価を談合した価格カルテルの疑いが強まったとして、公正取引委員会が1月22日に日本ケミファとコーアイセイの両社に立ち入り検査を行っていた。
公取委によると、両社は後発炭酸ランタンOD錠の安売りはしない旨を18年6月20日に相互に確認していた。さらに日本ケミファとコーアイセイ間で「低落を防止し自社の利益の確保を図る」ため、卸への仕切価を談合していたことも分かった。ただ、日本ケミファは当初、コーアイセイに当該OD錠の製造を委託する予定だったが、コーアイセイ側が安定供給できなかったことから販売を断念。公取委は今回の処分命令に際し、日本ケミファを違反事業者としたものの、課徴金の算定の基礎となる売上額が存在しなかったため課徴金は免れた。
◎日本ケミファは同日コメントを発表「信頼回復に努める」
日本ケミファは同日、「1 月 22 日の公正取引委員会による立入検査等を受け、社外の法律事務所の協力の下での社内調査、社内規程の見直し、独占禁止法等に関する役職員の再教育を実施しております。当社グループは本件を真摯に受け止め、今後とも、役職員一同、更なるコンプライアンスの強化及び再発防止の徹底を図るとともに、信頼回復に努めてまいります」とのコメントを発表した。