武田薬品 ドライアイ治療薬・Xiidraをノバルティスに売却へ ビジネス集中を加速
公開日時 2019/05/10 03:50
武田薬品は5月9日、ドライアイ治療薬・Xiidra5%をスイス・ノバルティス社に売却すると発表した。一時金34億米ドル、追加で最大19億米ドル(最大約5800億円)の対価を受け取る。武田薬品は、6兆2000億円を投じたシャイアー買収時に最大100億ドル(1超1000億円)規模の資産売却を行うことを公表しており、製品の売却を通じて早期の財務体質改善を図る。オンコロジーなどコアビジネスへの集中的な投資を加速させる考え。
Xiidraは、炎症に対する作用をもち、ドライアイの兆候・症状の治療薬として、米FDAに承認された最初で唯一の薬剤。同製品は2018年の調整後売上高が3億8800万米ドル(約430億円)を売上げる製品。譲渡に伴って、米国・カナダを拠点とする営業などの従業員約400人も移籍する。
武田薬品は、シャイアー買収で世界トップ10に入った。一方で、純有利子負債は約5兆4000億円まで増大した。オンコロジーや消化器系疾患、ニューロサイエンス、希少疾患、血漿分画製剤、ワクチンに集中的な投資を行う一方で、ノンコアビジネスを手放す方針を示してきた。実際、売上高もワクチンを除く5領域で70%以上をたたき出す。ノンコアビジネスである眼科領域の製品を手放すことで、集中的な投資を加速させる。
あわせて、手術用パッチ剤・TachoSilをジョンソン・エンド・ジョンソンの手術関連機器子会社であるエチコン社に4億米ドルの一時金を受け取ることも同日、発表した。両製品の売却は19年後半に完了する予定。