科研 18年度連結売上高940億円 特許切れ響くアルツの売上高14%減
公開日時 2019/05/10 03:50
科研製薬は5月9日、2019年3月期の連結売上高は前年度比4.3%減の941億6500万円だったと発表した。主力品の関節機能改善薬・アルツが、18年4月実施の薬価改定で「G2」に区分され、14%の薬価引き下げを受けて前年度比14.2%減の243億円となったことが響いた。2020年3月期は、外用爪白癬治療薬クレナフィンの伸長を見据えるが、薬価改定の影響などを踏まえ、前年度比1.3%減の929億円でほぼ横ばいとなる見通し。
19年3月期決算は、クレナフィンが概ね前年度並みを確保したものの、高脂血症治療薬リピディルが前年度比43%減の24億円となった。フェーズ3段階にある、原発性腋窩多汗症の適応取得を目指す「BBI-4000」や熱傷焼痂除去剤の適応取得を目指す「KMW-1」への投資が膨らみ、研究開発費は前年度比25.9%増の102億6100万円。連結売上高は減収、2桁の減益となった。
20年3月期も、前年度比1.3%減の929億円の売上高で、減益を見込む。ただ、主力品の外用爪白癬治療薬クレナフィンは、前年度比2.7%増の売上高232億円を見込む。同社は、「クレナフィンは数量ベースを伸ばすことで売上高の伸長を見込むが、国内の主用医薬品の売上高は薬価改定の影響もあるため横ばいの見通し」としている。
【18年度連結業績(前年同期比) 19年度予想(前年同期比)】
売上高 941億6500万円(4.3%減) 929億円(1.3%減)
営業利益 245億9200万円(10.6%減) 223億円(9.3%減)
親会社帰属純利益 177億7500万円(6.7%減) 161億円(9.4%減)
【18年度主要製品国内売上高(前年同期実績) 19年度予想、億円】
アルツ 243(283)244
クレナフィン 225(221)232
セプラフィルム 98(101)99
フィブラストスプレー 31(36)32
リピディル 24(42)19
ジェネリック合計 102(117)104
※1億円未満切り捨て