英NICE ブレンツキシマブをCTLC治療薬として推奨
公開日時 2019/05/09 03:50
英国立医療技術評価機構(NICE)は4月24日、武田薬品工業の微小管阻害薬結合抗CD30 モノクローナル抗体・ブレンキシマブベドチンについて、CD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTLC)の適応でNHS(国民保健サービス)における通常使用を推奨する最終評価報告書を発表した。
推奨内容は、患者が菌状息肉腫ステージIIB以上、あるいは、皮膚原発未分化大細胞リンパ腫、もしくはセザリー症候群を有する場合のCD30陽性CTLCで、少なくとも1つ以上の全身療法受療歴のある成人に対する投与。
推奨用量は、1㎏あたり1.8㎎を3週間ごとに30分以上かけて点滴静注で注入する。CTLC患者は16サイクルまで投薬する。ブレンキシマブベドチンの薬価は、50㎎バイアルが2500ポンド(36万2500円、1ポンド=145円換算)(付加価値税除く。英国ナショナル・フォーミュラリー76版)。
同剤について、NHSのリソースを使用して差し支ええないと思われる、同剤の最も妥当な費用対効果比は、現行の標準療法と比べて、1QALY(質調整生存年)あたり3万ポンド(435万円)より少ないとされた。
なお、現行標準療法は、メトトレキサート、ベキサロテンおよびインターフェロンアルファである。患者の一部にとっては、ブレンキシマブベドチンは、幹細胞移植治療へのブリッジ(つなぎ)としても活用できる。
CTLCは、皮膚に影響を及ぼす非ホジキンリンパ腫の一種である。CTLCは、皮膚表面の平坦な紅斑で始まり、皮膚腫瘍に進展する。患者によっては、日常活動を極端に妨げるような慢性疼痛や搔痒など全身症状を呈する。CTLCは診断が難しく、確定診断を受けるまで数年かかるなど時間が経過し、その間に予測できないほどの重症となる可能性があるため、有効な治療法が待たれていた。