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諮問会議の民間議員 長期収載品の薬価引下げ開始「10年」の短縮を 更なる改革断行を

公開日時 2019/04/11 03:52

政府の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)の民間議員は4月11日、今夏に策定する骨太方針2019に向け、薬価制度抜本改革の更なる推進を求めた。「イノベーションを推進するとともに医薬品産業を高い創薬力を持つ産業構造に転換」する必要性を強調。なかでも、長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却を製薬企業に突き付け、長期収載品の引下げを開始する期間を現行の「後発品上市から10年」から短縮することを提案した。製薬業界からは、後発品への置き換えが進まないことや、かえって薬価が高止まりすることを視野に、警戒する声がすでにあがっている。

長期収載品に依存するビジネスモデルからの脱却を掲げた、2018年度薬価制度抜本改革では、後発品上市後10年(5年+Z2適用の5年間)を経過した製品について薬価を段階的に引き下げる、いわゆる“G1・G2”ルールが導入された。後発品の置き換え率が高い(80%以上)のG1品目では最終的に長期収載品は後発品と同等の価格にまで引き下げられる。後発品の市場参入からの10年間は、特にジェネリックメーカーにとっては、薬価差を武器に市場の置き換えを図れる期間でもあり、短縮されればジェネリックビジネスへの打撃は大きい。ジェネリック業界内では、2020年度改定に向けて、最大の懸案事項でもある。

◎長期収載品に依存しない産業構造のイメージを提示

民間議員は、「長期収載品に依存せず、高い創薬力を持つ産業構造」のイメージについて、縦軸に「価格×数量」、横軸に「時間」を取ったマトリックスを示した。特許期間中は、「価格引き上げを含めた費用対効果評価の本格実施」や「新薬創出等促進加算制度の抜本的見直し」を通じ、売上を確保することで、「研究開発投資の早期回収」できるモデルを描いた。一方、特許期間後は、長期収載品の価格引下げや後発品の使用促進で、後発品の市場が拡大する。

◎後発品80%実現に向けてインセンティブ強化を


後発品の使用促進をはじめとした「保険者機能の強化」にも言及した。「2020 年9月までの後発医薬品使用割合 80%の実現に向け、インセンティブを強化すべき」とした。後発品の使用割合が最も低い北海道礼文町(国民健康保険)では32.8%であることなども示した。また、「2017 年度の後発医薬品の使用割合は全体で 73.0%となる中で、後期高齢者医療制度では 70.7%、外皮用薬の使用割合は 43.5%にとどまっている」ことも盛り込んだ。

◎調剤報酬は大胆な改革の推進が必要 リフィル処方の推進も

調剤報酬については、「引き続き課題が残っており、大胆な改革の推進が必要」と指摘した。薬局数は全国で約5万9000施設までに増加しているが、院外調剤の調剤料が高いことが影響しているとの見方を示した。向精神薬の後発品を調剤した際の院内調剤と院外調剤の差が約10倍であることを例示。調剤料などの技術料について、見直しを迫った。

かかりつけ薬剤師などの制度についても言及。服薬情報の一元的・継続的把握、24 時間対応・在宅対応等の機能を有する“かかりつけ薬局は2万6000施設で、全体の半数にとどかない。健康サポート薬局 は1275施設にとどまっているとし、「その効果や意義を改めて検証し、正当性が疑われる場合、報酬を大胆に適正化すべき」とした。このほか、「薬剤の適正使用等に向けて、病状が安定している患者等に対するリフィル処方の推進 を引き続き検討すべき」であることも盛り込んだ。

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