厚労省 抗インフルエンザ薬2製品に添付文書改訂指示 ゾフルーザの重大な副作用に「出血」
公開日時 2019/03/04 03:52
厚生労働省医薬・生活衛生局は3月1日、出血に関する副作用が新たに確認された抗インフルエンザウイルス薬2製品の添付文書改訂を行うよう日本製薬団体連合会に医薬安全対策課長通知通知で指示した。塩野義製薬の抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ(一般名:バロキサビル マルボキシル)では、重大な副作用として「出血」を追記する。因果関係が否定できない出血は発売以来 13例報告された。また、同剤と抗インフルエンザウイルス薬タミフルに、ワルファリンとの併用に注意することを明記することになった。
改訂指示のあった製品は次のとおり(カッコ内は一般名)
▽ゾフルーザ錠、同顆粒2%分包(バロキサビル マルボキシル、塩野義製薬)
指示概要:「重要な基本的注意」に、患者及びその家族に対して、出血症状が現れた場合に医師に連絡すること、投与数日後にも現れることを説明する旨を追記。
「併用注意」に、ワルファリンとの併用によりプロトロンビン時間が延長した報告があるため、併用時は患者の状態に注意する旨を追記。
「重大な副作用」に「出血」を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):出血関連症13例(死亡なし)
薬効分類:625 抗ウイルス剤
出血関連症の報告数は因果関係不明を合わせると25例で、うち3例の死亡例があった。PMDAの資料によると、改訂理由では「専門協議において、多くの専門委員から現時点で改訂する必要性を支持された一方で、出血関連事象に関する疫学的分析や他の抗インフルエンザ薬における詳細な発現傾向に基づいて検討すべきとの意見も示された」と経緯を説明。その上で国内症例が集積状況、専門委員の意見も踏まえた調査の結果、現時点で改訂が適切と判断したとしたとしている。
▽タミフルカプセル、同ドライシロップ(オセルタミビルリン酸塩、中外製薬)他
指示概要:「重要な基本的注意」に、患者及びその家族に対して、出血症状が現れた場合に医師に連絡すること、投与数日後にも現れることを説明する旨を追記。
「併用注意」に、ワルファリンとの併用によりプロトロンビン時間が延長した報告があるため、併用時は患者の状態に注意する旨を追記。
過去3年の国内報告数(因果関係が否定できない例数):出血症関連3例(死亡なし)
薬効分類:625 抗ウイルス剤
出血関連症の報告数は因果関係不明を合わせると30例で、死亡例はなかった。PMDAの資料によると、改訂理由は「抗インフルエンザ薬全体における出血関連事象の発現傾向及び国内症例集積等を踏まえ、添付文書改訂の必要性を検討した。専門委員の意見も踏まえた調査の結果、改訂することが適切と判断した」としている。