サノフィ スピラマイシンを発売 トキソプラズマ症適応で国内初
公開日時 2018/09/26 03:50
サノフィは9月25日、抗トキソプラズマ原虫剤のスピラマイシン錠150万単位「サノフィ」(一般名:スピラマイシン)を発売したと発表した。
国内でトキソプラズマ症を適応症として承認されている薬剤がなかったため、2011年に日本産科婦人科学会が厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」に対し、開発の要望を提出していた。同会議で開発の必要性が認められ、同省の開発要請を受けて、サノフィが開発した。海外では妊娠中のトキソプラズマ症に対し、70か国以上で承認、販売されている。薬価は150万国際単位1錠 224.60円。
トキソプラズマ症は、加熱不十分な食肉、飼い猫のトイレ掃除や砂場遊び、洗浄不十分な野菜などを介して、トキソプラズマ原虫が体内に入り発症することがある。健康な成人が感染しても、ほとんどの場合で症状はないが、約1割に風邪のような症状が出現し、数週間で回復する。一方、妊婦が初めて感染した場合は、感染が胎児にも及ぶ可能性があり、死産や流産、胎児に水頭症や、精神・運動機能障害や視力障害等の重篤な症状をもたらすことがある。