新薬承認数 17年は85 過去10年で2番目に少なく 審査期間はほぼ横ばい 政策研調べ
公開日時 2018/04/05 03:50
日本製薬工業協会の医薬産業政策研究所(政策研)の調査によると、2017年1月~12月までに新医薬品として承認されたのは85で、過去10年で2番目に少ない数だった。新有効成分含有医薬品が16年より半分以下の24で、全体の28%にとどまった。承認審査期間(中央値)は0.1か月減の10.0か月とほぼ横ばいだった。
これら調査結果は政策研の栗村眞一朗主任研究員が、PMDAの公表情報をもとに「日本における新医薬品の承認状況と審査期間-2017年の承認品目に関する調査-」にまとめ、「政策研ニュース」No.53に発表したもの。同一成分の品目を複数企業が同時に公知申請した場合、併用薬物療法等で複数成分が承認されたものは1つとして集計した。
その結果、新医薬品としての承認数は16年より40少ない85。100を下回ったのは09年(94)以来。新有効成分含有医薬品などの新規性の高い製品の承認の可否を検討する「部会審議品目」は16年より47少ないの49。部会報告品目は7増えて36だった。
新規有効成分含有医薬品は16年より28少ない24だった。うち抗悪性腫瘍薬が8と最も多く、3割を占めた。次いで生物学的製剤3、代謝性医薬品3だった。承認取得数の内資・外資別では、外資が14と58%を占め、16年とほぼ同様の傾向を示した。
審査区分別では通常審査は15と63%を占め、希少疾病用医薬品は8で33%、優先審査(希少疾病用以外)は1の4%だった。低分子薬は16に対し、バイオ薬は8だった。バイオ薬は新有効成分含有医薬品の33%を占め、過去10年で最も高い割合だった。
17年の新医薬品の承認審査期間(中央値)は16年より0.1か月短い10.0カ月(中央値)だった。近年は10カ月前後で安定的に推移している。新医薬品の承認数85(16年125)のうち、通常審査の承認数は61(同86)で審査期間10.9カ月(同10.9か月)、希少疾病用医薬品など優先審査の承認数は24(同39)で審査期間8.3カ月(同8.4か月)と、いずれもほぼ横ばいで推移した。