畑中ファーマ・コンサルティング畑中和義超高齢者社会の出現が、製薬企業のエリア戦略の転換を促している。従来、エリア戦略は、①臨床的な要因（医療技術、新薬開発など）②政策的な要因（医療保険制度、介護保険制度など）に基づいて構築してきた。しかしこれだけでは、「地域包括ケアシステム」に対応したエリア戦略は構築できない。本稿では、超高齢者社会から生じた3つのコンセプト①「健康転換」②「生活者中心の医療PeopleCenteredCare」③「生活モデル」を、エリア戦略に必要な新たな視点として紹介する。地域包括ケアシステムは、この3つのコンセプトから導かれたクリニカルクエッションを解決する仕組みと言い換えることができる。地域包括ケアシステム時代のエリア戦略の構築には、地域におけるクリニカルクエッションと...