EMA 移転先はオランダ・アムステルダムに
公開日時 2017/11/24 03:50
EMA(欧州医薬品庁)は11月20日、英国のEU離脱に伴う、同庁のロンドンからの移転先が、オランダ・アムステルダムに決定したと発表した。同日開催されたEUの総務協議会(EU27か国が構成)で決まった。
英国のEU離脱に伴うEMAの移転先については、EMAが移転先としての希望を加盟国に募った結果、加盟国27か国中、主要国19か国(19都市)が誘致希望を申し出、激しい誘致合戦が展開され、内外の大きな注目を浴びた。その結果、オランダのアムステルダム、デンマークのコペンハーゲン、イタリアのミラノなどが有力視され、総務協議会でも最後までこれらの都市の争いとなった模様だ。
EMAのGuido Rasi理事長は、アムステルダムに決定した理由について、「アムステルダムは、EMAの移転都市ついての基準の多くを満たしたこと、特に、利便性の非常に良い交通機関や我々のニーズに応えたビルを提供してくれた」と話した。EU各国が、業務の継続性と公衆衛生と動物保健の保護を優先に考慮したことに謝意を示した。また、Rasi理事長は、移転国についての職員の希望先調査でもアムステルダムであれば転居してもEMAに勤務したいとの回答が多数だったことも明らかにした。
EMAは今後、2019年3月30日までに移転作業を完了させると同時に新事務所での業務を開始しなければならない。その間までに16か月しか残されておらず、直ちにオランダ政府と移転作業を推進し、監督する合同の運営組織を設置する考えを明らかにした。
EMAは、移転作業の成否がEUの公衆衛生に多大な影響を及ぼす観点から、関係者およびEUの公衆に移転作業の透明化を図るために、12月初めには、ウエブサイトに作業の進行状況を理解できるようなチャートを掲載する予定。