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厚労省・森審議官 医薬分業から医師と薬剤師の“協業”へ JASDI

公開日時 2017/07/11 03:50

厚生労働省の森和彦大臣官房審議官(医薬担当)は7月9日、都内で開催された第20回日本医薬品情報学会総会・学術大会(JASDI)で講演し、今後の薬剤師の姿として、「言葉としてこれからも分業という言葉を使い続けることに違和感がある。協業を全面に押し出して患者のために協業するということを誰もが全面で言ってほしい」と述べた。人口減少、超高齢社会の到来が迫る中で、薬剤師が地域包括ケアシステムの中で役割を果たすことへの要請が高まっている。森審議官は、医薬品の適正使用で役割を果たすことで、患者や患者家族から「存在感があって頼られる」存在になることの必要性を強調。一方で、「スピーディーにキャッチアップしていかないと、チャンスを失う、山を失うのではないかと心配になる」と警鐘を鳴らした。


地域包括ケアシステムへ参画する上で、かかりつけ薬局・薬剤師の推進が施策として打たれている。ただ、一つの形を目指すのではなく、健康の維持・増進をサポートする健康サポート薬局や、がんなどで高度な薬学管理を行う薬局など、地域の中で機能分化することが必要であるとの考えを表明。「薬剤師は色々なことをやってくれるんだと理解が生まれるように、薬局に特徴があって一般の人に分かるような機能分化を目指すことが大事だ」と述べた。


◎オピオイドなどハイリスク薬が残薬に紛れ込むリスクも 薬剤師の適正使用推進が重要に


高齢化に伴って、在宅で治療を受けるがん患者が増加する。こうした中で、オピオイドなどハイリスクな医薬品を含めた薬剤師の適正使用への期待も高まっている。

米国では、オピオイドの過量投与による死亡者が急増していることから、FDA長官も施策のファーストプライオリティーにあげるほど力を入れる。日本でも、在宅でがん治療を受ける患者が増える中で、「残薬の中にオピオイドが紛れてしまったらどうするのか」と疑問を投げかけた。


森審議官は、「オピオイドを使う患者は、間違いなく増える。不幸にして過量投与で具合が悪くなるということは何としても防がないといけないのではないか」と指摘。ハイリスクな医薬品が残薬に紛れ込むことへの危機感を示し、「サポートするプロがいないといけない。薬剤師に対する期待が大きくなっている。次の調剤報酬改定もドライブをかけていくような取り組みになっていくだろう」と述べた。

ただ、調剤報酬での手当てを見込むのではなく、「本来的にやらないといけない。薬剤師が中心的な役割を持つ、見える存在になっていかないといけない」と薬剤師が本来の職能を発揮することに期待感を示した。

また、OTCについては、「薬剤師が適正使用の推進役だ」と指摘。スイッチOTCの評価は、薬局でしかできないとし、薬局・薬剤師が積極的にエビデンスづくりの“主役”になることも求めた。


森審議官は、「今や、薬剤師は患者を含め、あらゆる方面から見られている。薬剤師が見せることを意識し、積極的に仕事ぶりをみせるようになってほしい」と会場に呼びかけた。
 

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