大日本住友 ナパブカシンの胃・食道胃接合部腺がん適応の承認申請を事実上断念へ フェーズ3でOS延長見込めず
公開日時 2017/06/27 03:50
大日本住友製薬は6月26日、将来の国際戦略品と位置付け開発中のがん幹細胞性阻害薬ナパブカシン(開発コード:「BBI608」)について、胃または食道胃接合部腺がんの承認申請を事実上断念することを明らかにした。胃または食道胃接合部腺がんを対象にした日本を含む国際共同フェーズ3(BRIGHTER試験)の中間解析の結果に基づいて独立データモニタリング委員会が、「対照群に比べて、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を示す見込みは低い」と判断、同試験の盲検を解除する勧告を同社は受け入れたと同日発表した。同社によると、この適応症を対象にした他の治験は行っておらず、BRIGHTER試験の結果に基づいて2018年度に予定していた日本と北米での承認申請ができなくなった。
同社は、胃または食道胃接合部腺がんの適応で、ナパブカシンの最初の承認申請を行う予定だった。現在、結腸直腸がん、膵がんでそれぞれ国際フェーズ3を実施しており、結腸直腸がんについては20年度、膵がんは21年度に承認申請を目指す。