謎の浮世絵師・岩佐又兵衛の非日常の世界
公開日時 2009/05/31 00:00
「非日常」との出会いMR活動の部分も私生活の部分も、「日常の世界」に取り囲まれている。だからこそ、日々、右往左往せずに暮らしていけるのだ。しかし、時には「非日常の世界」に遊ぶことも必要である。「非日常の世界」から戻ってきたとき、「日常の世界」が新鮮に映ることに気がつくだろう。「非日常の世界」を味わうのに最適なのが、『岩佐又兵衛──浮世絵をつくった男の謎』(辻惟雄著、文春新書)である。この本の表紙を見た途端、多数収録されているカラーの図版を目にした途端、そのあまりの過激さに衝撃を受けるだろう。浮世又兵衛の正体江戸時代初期に浮世絵を創始し、「浮世又兵衛」と呼ばれた岩佐又兵衛勝以(かつもち)の生涯は長らく謎に包まれてきたが、又兵衛研究の第一人者である著者によって、その数奇な生涯が明らかにされている...