ハーボニー偽造品問題 医薬品卸6社に改善措置命令 東京都と大阪府
公開日時 2017/03/14 03:50
C型肝炎治療薬・ハーボニー配合錠の偽造品流通の問題を受け、東京都と大阪府は3月13日、医薬品卸6社に医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく改善措置命令を出した。医薬品の譲受に際しては、譲渡人の氏名等の情報を正確に記録することが求められているが、偽造品流通の発端となったエール薬品は身分を確認せず、架空の記録をしていた。さらに、偽造品は添付文書がなく、裸のボトルのままで流通していた。こうした事態を問題視し、記録の徹底や医薬品管理体制の整備などを指示した。あわせて具体的な改善計画書を21日までに提出することを求めた。
命令を受けたのは、偽造品を個人から購入し、都内のエール薬品(千代田区)のほか、髙洋薬品(千代田区)、フジ薬品(千代田区)、大興薬品(千代田区)、野川薬品(台東区)の5社と、大阪府内のグローバルネットエルズ(大阪市中央区)。
ハーボニー配合錠の偽造品は、エール薬品が個人から入手。その後、5社の医薬品卸、3つの流通ルートを経て、奈良県の調剤チェーン・関西メディコで実際に調剤され、患者の手に渡った。その後の調査で、ビタミン剤や漢方薬が混入した計15ボトルの偽造品が見つかっていた。
改善命令では、卸売販売業者として、医薬品の譲渡に際しての譲渡人の氏名や、医薬品販売業の許可番号や連絡先などの確認、情報の正確な記録の徹底を命じた。確認に際しては身分証明書の提示を求めて本人確認を行うことを求めた。また、添付文書の同梱など本来の容器包装などに収められているか確認し、疑念がある場合には仕入れの経緯や医薬品の管理状況の確認などを求めた。また、医薬品営業所管理者としての管理体制の整備や、義務を履行できない場合は、管理者を変更するなど抜本的な見直しを求めた。
なお、この問題をめぐっては奈良県と奈良市が3月7日に調剤チェーン・関西メディコに改善措置命令を行っていた。