JT 抗HIV薬デシコビ配合錠の承認取得 薬価収載後は鳥居が販売
公開日時 2016/12/12 03:51
日本たばこ産業(JT)は12月9日、日本で抗HIV薬デシコビ配合錠LT、同HT(一般名:エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)の承認を取得したと発表した。薬価収載後はJTグループの鳥居薬品が販売する。
デシコビ配合錠は、既存抗HIV薬ツルバダの配合成分のうちHIVの増殖に関与する逆転写酵素を阻害する作用を持つテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)を、テノホビル アラフェナミド(TAF)に置き換えたもの。JTの発表によると、TAFは、創製したギリアド・サイエンシズ社が行った他の抗HIV薬と併用した臨床試験において、TDFの10分の1 以下の投与量でTDFと同程度の抗ウイルス効果を示した。
デシコビ配合錠のエムトリシタビンとTAFの配合量は、LTが200mg、10mg、HTが200mg、25mg――。リトナビルまたはコビシスタットと併用する場合はLTを、リトナビルまたはコビシスタットと併用しない場合はHTを用いる。いずれも1日1回1錠経口投与する。
米国と欧州ではギリアド社が16年4月に承認を取得し、製品名Descovyとして販売している。米国保健福祉省(DHHS)が作成する「成人および青少年HIV-1感染者における抗レトロウイルス薬の使用に関するガイドライン」で、同配合錠は抗HIV薬による治療経験のない患者に対する使用が推奨されている。