アステラス 化血研の事業承継の協議終了 「総合的に判断」
公開日時 2016/10/20 03:51
アステラス製薬は10月19日、化学及血清療法研究所(化血研)との間で進めていた化血研の事業承継に向けた協議を終了することにしたと発表した。アステラスは「交渉の状況などを総合的に判断し協議を終了することを決定した」としている。アステラス広報部は本誌取材に、「今回の協議終了の決定を厚労省にも報告した」と話した。
アステラスが取り扱っている化血研製品に関する契約及び取引は継続する。
化血研も同日に協議終了を発表。「今後も製品の安定供給に努めるとともに、厚生労働省の指導のもと、引き続きガバナンス・コンプライアンス体制の抜本的見直しの検討を続けていく」とコメントした。
2015年に、化血研が血液製剤を承認書と異なる方法で40年以上製造し、隠蔽工作もしていたことが発覚。そして厚労省から、16年1月から過去最長かつ上限となる110日間の業務停止命令を受けた。塩崎恭久厚労相は16年1月の閣議後の記者会見で、化血研に対する行政処分を説明した中で、「本来であれば直ちに医薬品製造販売業の許可を取消処分とすべき事案だが、化血研が製造している血液製剤、ワクチンの中には国民の健康確保や医療に不可欠なものが含まれている」として、とりあえず業務停止にしたと強調。さらに、「化血研としての組織、またそのまま製造販売を続けるということを前提としないで考えるよう要請している」と述べ、化血研に事業譲渡を迫っていた。