武田薬品 CRO大手のPRA社と戦略的提携、欧米の新薬開発効率化 日本は協議中
公開日時 2016/09/14 03:50
武田薬品は9月13日、迅速でより効率的な臨床試験戦略を立案・実行するため、CRO大手の米PRA Health Sciences社とパートナーシップ契約を締結したと発表した。今回は欧米での臨床開発及び市販後臨床開発が対象となる。PRA社は、武田薬品のフェーズ1~4試験にわたるパイプライン全体の管理や、規制当局への申請準備、開発品・製品ポートフォリオに関する医薬品安全性監視などの業務上のサポート提供のため、社内リソースを武田薬品に振り向ける。
欧米で臨床開発や市販後臨床開発を担う約300人の武田薬品の従業員は、社内異動やPRA社への移動などを選択する。また、「日本の従業員に関する協議は現在、武田薬品とPRA社の間で行われている」としており、日本での臨床開発体制に波及する可能性もありそうだ。
武田薬品のアンドリュー・プランプ・チーフメディカル&サイエンティフィック オフィサーは今回の提携について、「当社の研究開発体制の変革において根幹のひとつとなるもの」とし、「医薬品業界において前例のない、真に革新的な臨床開発へのアプローチ」とコメント。今回の提携によって、▽業務の効率性の改善▽グローバル化の更なる推進▽インフラコストへの柔軟性――を目指し、必要とされる人材や活動などのリソースを集中して新薬開発を推進するとしている。
PRA社のColin Shannon CEOは、「製薬企業とCROが包括的な事業運営、戦略立案に向けて連携するのは初めて。この提携モデルは企業間の提携を再定義するものであり、CRO業界では初めての試み」とコメントしている。