VBHCに基づく病院改革:注目される2つの事業モデル
公開日時 2016/06/30 00:00
ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー植草徹也プリンシパル野口亮前回から引き続き、急性期病院としての機能を提供するとして、いかに地域内の競合病院と差別化し、競争優位性を築くかについて考えてみたい。総「総合病院」状態を脱し、強みの明確化による症例の集約を進めるにはどうすればよいのか。日本では、大きく2つのモデルが現れつつあるようだ。地域内での「水平分業」の推進まず一つ目は、地域内での「水平分業」の推進だ。同一地域にある複数の急性期病院の間で、水平的な役割分担が進んでいるケースとして我が国で最も有名な事例は、いわゆる「熊本方式」だろう。済生会熊本病院をはじめとする熊本市内の急性期病院が、それぞれの強みを打ち出して、疾患領域ごとに役割分担を行っているのはよく知られている。済生会熊本病院...