サノフィパスツール ジカ熱ワクチンを開発へ プロジェクト立ち上げ
公開日時 2016/02/09 03:52
サノフィのワクチン事業部門であるサノフィパスツールは2月8日、ジカウイルス感染症の予防に向けたワクチン研究開発プロジェクトを立ち上げたと日本法人を通じて発表した。ジカウイルスはデングウイルスと極めて近いウイルスで、同社ではデング熱ワクチン「Dengvaxia」の承認を取得している。このためDengvaxiaの研究開発などで得られた専門性や経験を生かすことで、「ジカウイルスの感染様式を理解し、臨床開発へと進めるワクチン候補を速やかに特定できる可能性がある」としている。
同社はジカウイルスと同じ科に属するワクチンの研究開発をリードする企業で、黄熱ワクチンや日本脳炎ワクチン、最近ではデング熱ワクチンの承認を得ている。
ジカウイルスやデングウイルスはいずれもフラビウイルス科に属し、同じ種類の蚊が媒介する。急性期症状も似ている。ジカウイルス感染でよくみられる症状は発熱、発疹、関節腫脹、結膜炎、頭痛。しかし、妊婦が感染すると、頭部が小さく、脳の発達が損なわれる小頭症と呼ばれる先天異常の子どもが生まれるリスクが上昇するとされる。中南米を中心に患者が増えるなか、最近になって輸血感染の症例も確認され、世界保健機構(WHO)や各国の保健当局などが注意喚起している。