【World Topics】子どもの睡眠時無呼吸症
公開日時 2015/09/16 03:50
親子が早くから別々の部屋で眠る習慣の米国では、親が子どもの「いびき」に気づくのが遅れがちだ 。そんな親たちに、時々は子どもの睡眠、特に「いびき」に十分な注意をはらってほしいと、米国の小児科医たちが警告を発している。特に激しい「いびき」をかく子どもは、合間に10秒以上呼吸をとめていないか、よく注意してほしい、と。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
シカゴ大学医学部の小児科医Dr.Gozalの2008年の調査によれば、米国では、小学校低学年までの子どもの1−9%、9歳から14歳までの子どもの3−5%が激しいいびきをかいていると報告されており、これらの子どもたちのかなりの部分が睡眠時無呼吸症と推定されるという。
睡眠時無呼吸症の子どもは、夜間に十分な睡眠がとれないために、日中しばしば眠たがる。幼稚園や保育園では「お昼寝」してしまうと目覚めない場合も多い。また始終イライラし、短気で怒りっぽく、我慢がきかないなどの問題行動が観察され、嵩ずるとAD/HDを引き起こす懸念も高いという。実際、いくつかの研究でA.D.H.D.患者は高い確率でいびきをかくことが指摘されている。
睡眠不足はさまざまな身体的な発達障害の原因となるだけでなく、記憶、認知、学習能力に影響し、ひいては知能指数にもネガティブな影響がでることがわかっており、成長期の子どもには深刻な問題だ。
しかし、子どもの睡眠時無呼吸症は、きちんとした治療を受けさえすれば、 驚くほどはっきりと問題鼓動が解消することもわかっており、米国の専門家たちが早期発見・早期治療に向けての啓発に力を入れるようになった所以である。