JCRファーマ ハンター症候群の中枢神経症状改善薬の開発着手 血液脳関門通過技術を導入
公開日時 2015/04/15 03:51
JCRファーマは4月14日、物質が脳に流入するのを防ぐ血液脳関門を通過する同社の技術を応用した、難病のハンター症候群の中枢神経症状を改善する新薬を開発することに着手したと発表した。これまで中枢神経症状に対しては髄腔内投与などの方法が試みられてきたが、患者に負担が大きいだけでなく、薬剤が十分に到達できないといった問題が懸念されていた。同社の血液脳関門通過技術(J-Brain Cargo)により、静脈内投与で効果を発揮することが期待されるという。2016年度内の臨床試験開始を目指す。
同剤は治療酵素(血液脳関門通過型遺伝子組換えイズロネート-2-スルファターゼ)で、開発記号は「JR-141」。「J-Brain Cargo」の実用化第一弾となる。マウスやサルを用いた動物試験では、脳への薬剤移行や中枢神経症状の改善効果にえいて「非常に良好な結果」を示したとしている。同剤の、開発・販売については、グラクソ・スミスクラインが優先交渉権を持っている。
今後、中枢神経症状を現す他のライソゾーム病に対しても、同技術を応用した治療酵素を順次開発する予定という。