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厚労省が中医協総会に報告 薬剤師の疑義照会で約29億円の医療費削減効果

公開日時 2015/04/09 03:50

厚生労働省は、薬剤師が残薬を確認し、医師に疑義照会を行うことで、年間約29億円の医療費削減効果があるとのデータを4月8日の中医協総会に報告した。残薬の薬剤費は、年間475億円にのぼると推計されており、重複投与などの無駄な投薬を防ぐことが求められている。重複投与の防止や残薬があった場合の疑義照会など、地域包括ケアの中で、かかりつけ機能を担う薬局薬剤師がいかに処方医と連携し、役割を担うかが、今後議論となりそうだ。


薬局では、処方せん受付後に、口頭や持参薬を確認することで、残薬がないか確認。残薬が認められた場合には医師に疑義照会して処方を変更し、調剤を行う。日本薬剤師会委託事業による調査結果によると、薬学的疑義照会のうち約10.1%が残薬の確認に関連する事項。疑義照会を行った結果、日数・投与回数を調整したのは応需処方せんのうちの0.23%だった。これを年間の処方せん枚数に換算すると約29億円に相当する。


薬局に対して、残薬の経験の有無を聞いたところ、残薬を有する患者が「頻繁にいる」との回答は17.1%、「ときどきいる」が73.2%で約9割の薬局が残薬のある患者がいたと回答した。一方で、患者調査でも医薬品が「大量に余ったことがある」が4.7%、「余ったことがある」が50.9%にのぼった。この理由として、長期投与の増加による飲み忘れ、飲み残しや、症状の変化などがあげられる。残薬がある理由を把握し、薬剤師が医師に疑義照会を行うことで、医療安全への寄与も期待される。


一方、重複投与については、薬学的疑義照会の約6.5%を占めるとのデータも示された。これは、年間の処方箋枚数に換算すると、約117万件にのぼると推計される。重複投与は小児で多い傾向がみられ、薬効分類別では乳幼児では去たん薬や鎮咳去たん薬など呼吸器疾患に対する薬剤が多い一方で、高齢者では鎮痛・消炎、催眠、抗不安薬などが多い傾向がみられた。
 

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