ギリアドは2月3日、2014年通期決算が売上高248億9000万ドル（前期比122.2％増）、営業利益が152億6500万ドル（同237.4％増）、純利益が120億5900万ドル（同294.5％増）と売上高、利益とも前期比倍増以上の大幅増収大幅増益になったことを発表した。

13年12月にアメリカ、14年１月にヨーロッパで承認を受けた経口C型肝炎治療薬（核酸アナログポリメラーゼ阻害薬）・ソバルディの処方増に加え、高薬価もあって前期の１億3900万ドルから100倍近い、売上高102億8300万ドルを記録。また、昨年10～11月にアメリカ、ヨーロッパで相次いで承認を取得したソバルディを含む経口C型肝炎治療配合剤（NS5A阻害薬・核酸アナログポリメラーゼ阻害薬）・ハーボニが一気に売上高21億2700万ドルのブロックバスター入りしたことも好業績の要因となった。

◎企業別医療用薬売上ランキングでTop10入り確実

ソバルディについては、ブロックバスター入りをしただけでなく、脂質異常症治療薬・リピトール、関節リウマチ治療薬でヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤・ヒュミラに続く史上３製品目の売上高100億ドル超となった。

これにより同社は医療用医薬品売上高でアムジェン、イーライ・リリー、アッヴィなどを超え、世界第９位（2013年通期は世界第19位）になるとみられ、トップ10入りは確実な情勢になった。

一方、ソバルディは、2014年11月にジョンソン＆ジョンソンの経口C型肝炎治療薬・ソブリアードとの併用療法がFDAの承認を受け、インターフェロンなしの経口薬のみの治療レジメンが可能になったことで今後の売上伸長の行方に注目が集まっている。

しかし、アメリカで12週間投与分が８万ドルともいわれるソバルディの薬価には批判が多い。アメリカ最大手の薬剤給付管理会社Express Scriptsは、今後後発の同効低薬価品上市後、ソバルディやハーボニを給付対象の優先薬リストから外す方針を明らかにしており、先行きは不透明だ。同社では2015年通期売上高を260～270億ドルと予想している。

ソバルディ、ハーボニ以外の主要製品の売上高は抗HIV配合剤・アトリプラが34億7000万ドル（同4.9％減）、抗HIV配合剤・ツルバダが33億4000万ドル（同6.5％増）、抗HIV配合剤・コムプレラ/エビプレラが12億2800万ドル（同51.6％増）、抗HIV配合剤・スタリビルドが11億9700万ドル（同122.1％増）、抗HIV薬（核酸系逆転写酵素阻害薬）・ビリアードが10億5800万ドル（同10.3％増）。

2014年通期の研究開発費は前期比34.6％増の28億5400万ドル。