エーザイは１月30日、15年３月期（14年度）の通期業績予想を下方修正すると発表した。日本でのジェネリック（GE）の想定以上の浸透、米国での新製品の育成の遅れがあったほか、海外での成長投資がかさんだことが理由。国内売上高予想では、認知症薬アリセプトが当初より90億円引き下げ505億円に、PPIパリエットが50億円引き下げ380億円に、新薬の乳がん治療薬ハラヴェンが30億円引き下げ60億円に、それぞれ修正。国内全体では予想より220億円低い2855億円に引き下げた。前年同期実績と比べると255億円下回る。

アリセプトの引き下げは想定以上のGEによる影響を理由に挙げている。抗がん剤ハラヴェンは、HER2陽性患者が競合品にシフトする一方、HER2陰性患者に対する治療に向けてに十分に訴求できなかったためとしている。

今後、アリセプトについては、レビー小体型認知症が効能に加わり、第３四半期売上高が前期より19％伸びだことも踏まえ、疾患啓発、正しい診断・治療に向け情報提供活動を強化し、伸長を目指す。ハラヴェンは、HER2陰性患者の治療上のポジショニングを明確にし成長路線に乗せたい考え。

修正内容は次のとおり（IFRSベース）。
当初予想→修正予想（13年度実績）
売上収益5660億円→5550億円（5994億9000万円）
営業利益530億円→300億円（663億9800万円）
税引前利益495億円→270億円（622億9800万円）

日本売上収益3075億円→2855億円（3110億円）
アリセプト595億円→505億円（650億円）
パリエット420億円→380億円（473億円）
ハラヴェン90億円→60億円（64億円）
ルネスタ65億円→50億円（29億円）
セルベックス60億円→50億円（67億円）
ジェネリック275億円→270億円（234億円）