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パーキンソン病治療薬市場の新しい波

公開日時 2015/01/20 03:50

パーキンソン病の症状を抑える薬剤数種が上市間近となっている。Civitas Therapeutics社、Cynapsus Therapeutics社、NueroDerm社の薬剤の上市が近いことが過去2か月間で報告されている。パーキンソン病の標準治療であるカテコラミン前駆体・レボドパが上市から40年以上経過しており、これらの薬剤は、パーキンソン病治療薬市場の新たな潮流となりそうだ。

レボドパはその副作用から、使用が難しく、新薬の登場は、患者、医師ばかりでなく保険支払者にとっても重要なものになる。それにもかかわらず、臨床中期/後期のステージにある薬剤は、レボドパあるいは既存薬のDDS(薬物送達システム)改善するように設計されたものが多い。これには、主に①支持療法が失敗した場合の緊急的使用を目的としたレスキュー療法②レボドパの半減期が短時間のため、血中濃度の変動を抑制し、作用を持続させる––薬剤の開発である。


疾患の遺伝子的ターゲットを2つに絞られて、早期探索研究が進められている。パーキンソン病患者の脳にみられるタンパクであるαシヌクレインとパーキンソン病の遺伝的最大要因として知られるロイシン-リッチ・リピートキナーゼ2(LRRK2)である。これらの新たに出現した分野に基づいた治療法がいまや前臨床あるいは早期臨床試験に入ってきた。


現在、パーキンソン病のブラジキネジア(動作緩慢)、硬直および静止振戦などのような運動症状、また、認知障害、気分障害および不眠症などの非運動症状を含めた厄介な症状をなくすための薬剤開発に焦点が当てられている。

一方で、既存薬レボドパとカルビドパの配合剤では、新規DDSの採用による剤型変更などでの見直しが盛んになっている。


運動症状改善のための開発中の薬剤の主なものは以下の通りだ。企業、製品名、特徴、開発段階の順。


*IntecPharma社。Accordion Pill、胃中で12時間以内に成分を放出するアコーディオン型錠剤によるレボドパとカルビドパ配合剤、フェーズII。


*アッヴィ社、Duodopa、腸内ゲル剤のレボドパとカルビドパ配合剤、FDA申請済み(2015年早期承認予定)、欧州承認済み。

*Neuroderm社、ND0612LおよびND612H、持続性皮下用液剤のレボドパとカルビドパ配合剤、フェーズII。


*Impax社、Rytary、徐放性カプセルのレボドパとカルビドパ配合剤、申請済み(PDUFAデートは2015年1月5日、製造上の問題で2013年から遅延した)。


*Acorda社、CVT-301、頓服療法のための吸入製剤のレボドパとカルビドパ配合剤、フェーズII。


*Cynapsus社、APL-130277、頓服療法のための舌下フィルムストリップ経口剤のアポモルフィン、フェーズII。

(The Pink Sheet 12月1日号より)

 

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