C肝薬ソブリアード 高ビリルビン血症による死亡3例でブルーレター
公開日時 2014/10/27 03:52
厚労省医薬食品局は10月24日、C型肝炎治療薬ソブリアードカプセル(一般名:シメプレビルナトリウム)の副作用である高ビリルビン血症による死亡が3例報告されたのを受け、製造販売元のヤンセンファーマに「安全性速報」(ブルーレター)を発行し、医療現場に注意喚起を促すよう指示した。
この薬剤は2013年12月に発売された。当初から添付文書で、この副作用については注意を呼びかけていたが、同省は、死亡を想定した注意内容になっていないとして、添付文書の「警告」欄に具体的な対策を追記することも指示。▽投与中の定期的な血中ビリルビン値の測定▽患者に対して投与後の眼球・皮膚の黄染、褐色尿、全身倦怠感が見られた場合に直ちに受診するよう指導--することをなどを明記し、医療従事者に対応を求めた。
同省安全対策課によると、2014年10月10日までの約10か月で推定約1万8900人に使用され、薬剤との因果関係が否定できない高ビリルビン血症は7例が確認された。このうち40代と60代の男性と40代の女性が死亡した。同省が公表した死亡症例の概要によると、死亡した60代男性は、12週間の投与期間終了から15日後に薬剤性肝障害や急性腎不全が発現し、46日後に多臓器不全で死亡した。40代男性は、投与期間中67日目に投薬を中止。その3日後に高ビリルビン血症が確認され、投与中止21日後に細菌性敗血症や肝不全、腹膜炎で死亡に至った。
ブルーレターは、一般的な「使用上の注意の改訂」より、迅速な安全対策が必要と判断された時に発出が指示される。
厚労省が指示した使用上の注意の改訂とブルーレターの内容はこちら。