腫瘍用薬のレジメン誤登録で過量投与 日本医療機能評価機構が注意呼びかけ
公開日時 2014/08/20 03:52
日本医療機能評価機構は8月15日、医療従事者が注意すべき行為について注意喚起する「医療安全情報」(No.93)を発表し、その中で腫瘍用薬のレジメン誤登録で過量投与があった事例を取り上げた。同機構は医療ミス情報を収集しており、このケースは11年1月~14年6月までの間に4件報告された。
同情報で紹介された事例の一つは、医師が「絨毛性疾患に対するメソトレキセート療法」を申請した際、単位の「/body」を記入せず、化学療法委員会でも新規レジメンを検討する際に、単位の未記入を確認しないまま承認し、その後、誤った単位が記入され過量されたというもの。薬剤師は、新規レジメンを登録する際にレジメンに単位の記載がなかったことに気づいていたが、添付文書の確認や申請した医師への問い合わせをしないまま、単位に行わず「/m2」と登録。それで投与量の計算が行われ、患者に予定量の1.5倍量が5日間投与された。投与後、患者に口内炎、骨髄抑制、発熱性好中球減少症、脱毛などの副作用が強く現れたため、原因を調べたところ、登録されたレジメンに間違いがあったことに気付いた。
(※下図と同じものを関連ファイルからダウンロードできます)
機構は、腫瘍用薬の過量投与は患者に重大な影響を与えるおそれがあるとして、発生施設で取られた対策として▽レジメン管理を担当する医師または薬剤師は、新規登録するレジメンの申請書に添付されている文献等に記載された内容と照合してから登録する▽登録したレジメンの内容を、申請した医師とレジメン管理担当薬剤師で確認したうえで、運用を開始する--を示し、対応を促した。