国立がん研究センター 胆道がんの分子標的薬開発で臨床研究開始 治験も視野
公開日時 2014/06/09 03:51
国立がん研究センターは6月6日、胆道がんに対する分子標的薬の開発に向けた臨床研究を開始したと発表した。胆道がんは国内の年間罹患者約2万人で、死亡者数が約1.8万人という膵がんに次いで予後の悪い難治がんという。開発する薬剤は、がんの増殖に関与するFGFR2融合遺伝子を阻害することで効果を発揮すると考えられている。研究では同遺伝子の有用性や同遺伝子の検出法などを明らかにし、早期に同剤を用いた治験の実施を目指す。胆道がんの分子標的薬が開発されれば国内初となる。
胆道がんのうち肝内胆管がんが15~30%程度を占め、FGFR2融合遺伝子は、肝内胆管がんの約14%に認められる。今後、この研究を多施設で行い、FGFR2融合遺伝子が肝内胆管がん以外の胆道がん(肝外胆管がん、胆のうがん、十二指腸乳頭部がん)でも見られるのか、FGFR2融合遺伝子が見られる胆道がん患者さんはどのような特徴を持っているのかが明らかになると、FGFR2融合遺伝子の有無を確認する検査を特に勧められる患者が想定できるようになるという。