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バイオジェン 多発性硬化症治療薬のタイサブリとアボネックスペン型製剤を新発売

公開日時 2014/06/05 03:50

バイオジェン・アイデック・ジャパンは6月4日、多発性硬化症治療に用いるヒト化モノクローナル抗体製剤タイサブリ点滴静注300mg(ナタリズマブ(遺伝子組換え))と、インターフェロンベータ製剤アボネックス(一般名:インターフェロン ベータ-1a(遺伝子組換え))のペン型製剤の2製品を同日に新発売したと発表した。タイサブリは従来の治療で十分な効果が得られなかった患者や疾患活動性が高い患者に対する新たな治療の選択肢となるが、重篤な副作用も確認されており、「病態の進行を抑えるベネフィットと副作用リスクのバランスを考慮する必要がある」(同社)としている。バイオジェンはMR約30人体制で情報活動を行う。

タイサブリはα4インテグリンと結合し、白血球が血管外に移行することを阻害することで炎症を抑制すると考えられている。4週に1回、1時間かけて点滴静注する。薬価は300mg15mL1瓶22万8164円。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」での検討結果を踏まえ、同省から開発要請されていた。

タイサブリの国内臨床試験ではプラセボと比較して新規活動性病巣の発生率が84%低下(P<0.001)したことが示され、海外試験ではプラセボと比較して2年後の年間再発率が68%相対的に減少(同)したことなどが確認された。その一方で、タイサブリの長期投与によって死亡または重度障害に至ることのある進行性多巣性白質脳症のリスクが高まること、タイサブリは単純ヘルペス及び水痘帯状ヘルペスウイルスによって引き起こされる脳炎や髄膜炎のリスクを増大させること、また臨床的に重大な肝障害なども報告されている。

アボネックスは世界の再発多発性硬化症患者に対して最も多く処方され、日本では2006年11月から販売している。今回発売したアボネックスのペン型製剤はこれまでのアボネックス筋注用シリンジ30μgが内蔵されたペン型自動注入器となる。注射針が見えないよう工夫されるなどしており、注射に対する不安感の軽減とアドヒアランス向上を見込む。

多発性硬化症は中枢神経系の脳、脊髄、視神経などに炎症を起こす慢性疾患のひとつ。症状は軽度の場合もあれば重度の場合もあり、四肢のしびれから運動麻痺、視力低下まで様々ある。日本では特定疾患に認定されており、現在6000~7000人の患者が病態修飾療法による治療を受けていると推定されている。

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