第一三共 抗EGFR抗体ニモツズマブ 非小細胞肺がんの国内P3中止へ 胃がんP3は継続
公開日時 2014/04/28 03:52
第一三共は4月25日、抗EGFR抗体ニモツズマブ(開発コード:DE-766)の非小細胞肺がんを対象とする国内フェーズ3試験(P3)を中止すると発表した。ニモツズマブ群で4例の治験関連死が発生し、データモニタリング委員会から安全性問題で勧告を受け、試験中止を決めた。日韓共同で進行中の胃がん患者を対象としたP3は継続する。
中止となったP3では、切除不能な局所進行肺扁平上皮がん患者での一次治療において、ニモツズマブとプラセボにランダムに割り付け、それぞれ化学放射線療法との併用療法を行い、有効性と安全性を比較検討していた。扁平上皮がんは、肺がんの80%以上を占めるとされる非小細胞肺がんの一部で、非小細胞肺がんの3~4割にあたる。
ニモツズマブは、キューバのCIMAB社が創製したEGFRを標的とした分子標的薬。第一三共は2006年に、CIMAB社とカナダのCIMYM BioSciences社から日本の開発・販売権を取得した。海外では悪性脳腫瘍や食道がんの適応で20カ国以上で承認されているが、日米欧での承認は現段階ではない。
胃がんを対象に進行中のP3は、EGFR過剰発現の進行・再発胃がんおよび胃食道接合部がんにおける二次治療を検討する試験。同社は「医師への情報提供を適正に行い、患者からの同意も得て継続していく」としている。