日本臨床腫瘍学会 発売前のロンサーフ配合錠で「適正使用の御願い」 世界初承認などで
公開日時 2014/04/25 03:50
日本臨床腫瘍学会はこのほど、3月24日に承認された抗がん剤ロンサーフ配合錠(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠)について施設要件や症例選択などの留意事項をまとめた「適正使用の御願い」を学会ホームページに掲載した。同配合錠はフェーズ2試験(P2)の結果を基に「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん(標準的な治療が困難な場合に限る)」の適応で世界で初めて承認された薬剤で、製造販売する大鵬薬品が同学会に安全対策への協力を求めていた。
「適正使用の御願い」は、「ロンサーフ適正使用アドバイザリー・ボード」がまとめた。施設要件には▽使用患者の全例事前登録の協力または使用成績調査の契約▽緊急時に対応可能な体制▽重篤な有害事象に対して院内の関連診療科との連携で対応可能▽がん診療連携拠点病院などの指定を受けているか、大腸癌研究会に在籍または関連学会で専門医などの資格を有する―の4点を挙げている。この中には担当MRとの定期的な面談も含まれている。症例は慎重に選択し、投与前の臨床検査で可能な限り国内P2の選択基準を満たしていることを確認する。また、投与開始後は頻回に血液検査を行い、特に骨髄抑制に起因した感染症に注意するよう注意喚起している。
ロンサーフ配合錠は新規作用機序のヌクレオシド系抗がん剤。がん細胞の増殖に必要なさまざまなDNA機能を抑制するトリフルリジンと、トリフルリジンの代謝を抑制して有効血中濃度を維持するチピラシルを組み合わせた経口配合剤。P2で全生存期間の延長(9.0カ月に対してプラセボ群6.6カ月)が認められ、「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に基づきP3終了前に申請されていた。現在、国際共同P3のRECOURSEも進行中。同配合錠は5~6月にも薬価収載される見込み。