武田薬品 COO就任のウェバー氏 「グローバルリーダーを目指す」
公開日時 2014/04/03 03:50
武田薬品のクリストフ・ウェバー最高執行責任者(COO)は4月2日、就任後初の記者会見に臨み、これまでの歴史で培われたタケダイズムと、各国の医療環境に応じたスピーディーな意思決定を融合させることで、「グローバルリーダーとなる企業を目指す」と抱負を語った。同氏は、6月の定時株主総会などを経て、代表取締役社長兼COOに就任する予定。
ウェバー氏は、タケダイズムについて「不屈、誠実、公平」とし、「ヘルスケア企業にとって非常に重要」と述べ、これまでに培った国内市場ナンバーワンであるプレゼンスの高さも評価した。
一方、海外市場については「数週間、数か月を費やして主要な国の人たちとつながりを持ち、経営幹部と会い、その国のビジネスを理解したい」と述べ、医療環境、医療制度に応じた営業戦略立案が重要との見方を示した。その上で、オーストラリアでMRとしてスタートし、フランス、スイス、ベルギー、イギリス、アメリカ、シンガポールで要職を歴任した経験をもつ自身のキャリアが強みとなることも強調した。
◎長谷川氏「国内ナンバーワンを死守する」
長谷川閑史代表取締役社長は会見で、ナイコメッド社、ミレニアム社の企業買収後、「本社のガバナンスを強化し、グローバルでマネージをしていく途上にある」との認識を示した。
ウェバー氏の担う役割として、グローバル市場の営業、マネジメントにおけるゴール設定が最優先項目であると説明。グローバルに通用する人材の雇用、育成についても「ほかの競争力のある企業と比べて不十分。その点についても彼の経験、知識、リーダーシップを活かしてほしい」と期待感をみせた。
一方、現在の武田を取り巻く環境については、「大変大きな変革期に差し掛かっていると認識している」と説明し、「事業のあらゆる面で、グローバルで競争力のある会社となることが当面の目標」と述べた。
国内市場についても、「盤石な体制とは言えない。日本の市場の魅力度が増し、特に大手外資系製薬企業が積極的な攻勢をかけている中で、ナンバーワンを目指すのは容易ではない」との見方を表明。その上で、営業本部が改革を進めていることを説明し、「ナンバーワンのポジションは死守していきたい」との決意を表明した。